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勉強なのに、子どもが自分から読む!角川まんが学習シリーズヒットの舞台裏──「面白くて読んでいたら、いつの間にか学べていた」そんな体験を生む学習まんがの秘密とは?

2026.3.30

2015年の市場参入からわずか10年で、累計1900万部超。
『日本の歴史』『世界の歴史』『どっちが強い!?』などの人気シリーズを次々と生み出し、いまや学習まんが市場で存在感を高めているKADOKAWA。

その新刊『世界の地理』(「のびーる」シリーズ)の発売を機に、シリーズを手がける編集者・宮野真理子さんに話を聞きました。

「勉強させたいけれど、子どもが嫌がらずに読んでくれるだろうか」——。
そんな親の悩みに応える“学習まんが”は、どのように作られているのか。
シリーズを支える編集のこだわりと、ヒットを生み出す制作の舞台裏に迫ります。

*本書の試し読みはこちら

広がる学習まんが市場

ここ数年、学習まんがの市場は大きく広がっています。

家庭学習への関心の高まりに加え、「子どもが自分から読むきっかけになる本」として保護者から支持を集めているためです。特に歴史分野では、長年にわたり読まれてきた定番シリーズも多く、学習まんがは子どもの学びを支える定番コンテンツとして定着してきました。

その中で、2015年に学習まんが市場へ参入したKADOKAWAは、わずか10年で累計1900万部を突破しました。すでに多くの人気シリーズが存在する市場に後発で参入しながらも、短期間で存在感を高めています。

それでも支持を広げることができた理由はどこにあるのでしょうか。

“まず面白い”ことを徹底する

KADOKAWAの学習まんがでまず重視しているのは、実は「学び」よりも前にあるものです。
それは 「まず面白いこと」。

「読まれない本には、どんな知識も届かない」。
編集チームが共通して持っている考え方です。

従来の学習まんがは、知識をわかりやすく説明することに重点が置かれることが多くありました。一方でKADOKAWAのシリーズでは、ストーリーやギャグといったエンターテインメントの要素を重視し、子どもが「続きが読みたい」と思える体験を大切にしています。

「勉強の本だから読む」のではなく、
「面白くて読んでいたら、いつの間にか学べていた」。
そんな読書体験をつくることが、シリーズの基本的な考え方です。


角川まんが学習シリーズ

知識を“物語”にすると、子どもは読む

その考え方は、制作の段階にも反映されています。

例えば『世界の地理』では、「地球レストランを開く」というストーリーを軸にしました。キャラクターたちが世界の料理を探しにいく中で、各国の文化や気候、産業といった地理の知識に触れていく構成です。

制作の初期段階では、教科書の重要語句をもとに内容を整理し、監修者や編集プロダクションとともに構成を設計していきます。そのうえで、学習内容を自然に理解できるよう、物語の中に知識を組み込んでいきます。

社会科の知識は、本来ばらばらの情報ではなく、互いにつながっています。その関係性を、子どもが物語を通して自然に感じられるようにすることを意識しています。


『世界の地理』紙面イメージ

「なぜ?」を引き出す仕掛け

もう一つ重視しているのが、子どもが自分で疑問を持つことです。

まんがの中には「疑問発見」というアイコンが登場します。
「どうしてそうなるんだろう?」と思ったタイミングで、解説ページへと誘導する仕組みです。
解説ページでは写真や図版、クイズなどを交えながら知識を整理。
単に情報を読むのではなく、「疑問 → 理解」の流れが生まれるよう工夫しています。


『世界の地理』紙面イメージ

面白さと学びのバランス

制作の中で編集者がいつも悩むのが、情報量のバランスです。

知識は入れようと思えばいくらでも入れられます。しかし、それを詰め込みすぎると、子どもは読まなくなってしまいます。

そのため、あえて学習要素を入れない“ギャグのコマ”を残すこともあります。「勉強なのに笑える」。その体験こそが、ページをめくる力になるからです。

実際、漫画の設計図となる「ネーム」を制作する段階では、学習内容とストーリーのテンポのバランスを何度も調整します。学びと面白さの“ちょうどいいバランス”を見つける作業が、学習まんが制作の重要な工程の一つです。


学習要素を入れない“ギャグのコマ”

学習まんがはチームで作られる

1冊の学習まんがは、編集者だけでは完成しません。

監修者、編集プロダクション、シナリオ作家、ネーム作家、作画作家、校閲者など、多くの専門家が関わり制作されます。『世界の地理』の制作期間は約1年半でした。
さらに、世界情勢の変化にも対応する必要があります。制作期間中に国際情勢が変われば、掲載内容を修正することもあります。学習まんがにとって、「正確であること」も重要な使命だからです。


掲載内容を修正

上:ゲラではASEAN加盟国を国旗で表記
下:校閲作業前に1カ国増えたので本書では国名のみに

編集者が大切にしていること

制作の合間、宮野さんはこんなことを思ったそうです。

「作中でキャラクターたちが世界中を旅しているのを見ていたら、自分もどこかへ行きたくなってしまって(笑)」その勢いでオーストラリアへ弾丸旅行。グレート・バリア・リーフで泳ぎ、コアラも抱っこしてきました。

そんな宮野さんが編集で大切にしているのは、「感謝」と「自分も楽しむこと」。

1冊の本が完成するまでには、制作チームだけでなく、組版会社や印刷会社、社内の宣伝や営業担当など、多くの人が関わります。「携わってくださった全員に感謝の気持ちを忘れないようにしています」と宮野さんは言います。そして「まずは自分が面白いと思える本を作ること」。その気持ちが、子どもたちに届く「面白さ」につながると信じているからです。


オーストラリアへ弾丸旅行

面白いから読む、だから学べる

「面白いから読む、だから学べる」。
そんな体験を届ける学習まんがづくりは、これからも新しいテーマや世界へと広がっていきます。

子どもたちがページをめくるその先に、どんな学びとの出会いが待っているのか——。
KADOKAWAの学習まんがは、これからもその入り口をつくり続けていきます。





『角川まんが学習シリーズ のびーる社会 世界の地理 気候・暮らし・産業他』書影

*『角川まんが学習シリーズ のびーる社会 世界の地理 気候・暮らし・産業他』発売中
監修:小林宏己 カバー・表紙:マオ・シーアン
定価:1,430円(本体1,300円+税) サイズ:四六判 ISBN:9784041158487
https://yomeruba.com/product/study/mangagakushu/nobiru/322410000172.html

*『のびーる』シリーズ特設サイト
https://yomeruba.com/mangagakushu/entry-25346.html

*角川学習まんがシリーズ10周年の特設サイト
https://promo.kadokawa.co.jp/mangagakushu10th/

※本記事は、2026年3月時点の情報を基に作成しています



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