グループ理念




「不易流行」

「不易流行」は芭蕉が到達した俳句の理念ですが、角川書店の創業者・角川源義は、
その精神を自らの出版事業の根源に据え、実践しました。
新しさを極め続ければ変わらないものが見えてくる。
変化を恐れずに挑戦し続ける心がKADOKAWAスピリットです。
KADOKAWAの経営理念を「不易流行」とし、その志を未来につなげます。
角川文庫創刊の際、創業者、角川源義によって記された言葉は、今も角川文庫の巻末に記され、長くKADOKAWAグループの出版活動を支える理念となっています。
現在、KADOKAWAグループの事業は、出版を起点に、映像、ゲーム、Webサービス、教育・EdTechへと広がっておりますが、これからも様々なコンテンツを創出していくうえで、創業の精神といえるこの言葉を、当社グループの原点として今後も語り継いでまいります。

「角川文庫発刊に際して」 
角川源義

 第二次世界大戦の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった。私たちの文化が戦争に対して如何に無力であり、単なるあだ花に過ぎなかったかを、私たちは身を以って体験し痛感した。西洋近代文化の摂取にとって、明治以後八十年の歳月は決して短かすぎたとは言えない。にもかかわらず、近代文化の伝統を確立し、自由な批判と柔軟な良識に富む文化層として自らを形成することに私たちは失敗して来た。そしてこれは、各層への文化の普及滲透を任務とする出版人の責任でもあった。
 一九四五年以来、私たちは再び振出しに戻り、第一歩から踏み出すことを余儀なくされた。これは大きな不幸ではあるが、反面、これまでの混沌・未熟・歪曲の中にあった我が国の文化に秩序と確たる基礎を齎らすためには絶好の機会でもある。角川書店は、このような祖国の文化的危機にあたり、微力をも顧みず再建の礎石たるべき抱負と決意とをもって出発したが、ここに創立以来の念願を果すべく角川文庫を発刊する。これまで刊行されたあらゆる全集叢書文庫類の長所と短所とを検討し、古今東西の不朽の典籍を、良心的編集のもとに、廉価に、そして書架にふさわしい美本として、多くのひとびとに提供しようとする。しかし私たちは徒らに百科全書的な知識のジレッタントを作ることを目的とせず、あくまで祖国の文化に秩序と再建への道を示し、この文庫を角川書店の栄ある事業として、今後永久に継続発展せしめ、学芸と教養との殿堂として大成せんことを期したい。多くの読書子の愛情ある忠言と支持とによって、この希望と抱負とを完遂せしめられんことを願う。

一九四九年五月三日
「角川文庫発刊に際して」角川源義

世界の才能と、感動をつなぐ、クリエイティブプラットフォーマーへ

  • 世界中の才能を発掘し、その価値を最大限に高め、生み出されるIPをテクノロジーの力で世界中のユーザーに届ける
  • グループに集まったノウハウと、クリエイティブ、テクノロジーを融合させ、イノベーティブな事業を継続的に生み出し、発展させる