『ダンジョン飯』と九井諒子作品の魅力を一挙体感! 最大規模で東京凱旋した展覧会をレポート
KADOKAWAが手がける大人気コミック『ダンジョン飯』(著:九井諒子)は、冒険者たちが迷宮を旅しながら、襲い来る凶暴なモンスターを調理して奇想天外なグルメを堪能する、ダンジョン探索とグルメが融合したユニークな世界観と緻密なストーリー展開で支持を集め、シリーズ累計発行部数は1,400万部を突破。2024年にアニメ化され、グローバルでさらに人気は広がり、現在第2期の制作も決定しています。
そんな『ダンジョン飯』の世界を堪能できる大規模展覧会「『ダンジョン飯』迷宮探索展」が2024年春の東京初開催を皮切りに、名古屋・京都・福岡・大阪を巡回。いずれの地域でも大好評を博し、2025年7月、東京・池袋にて最大規模での凱旋開催がスタートしました(期間:7月10日~27日)。
さらに今回、原作者・九井諒子氏の創作世界を堪能できる「九井諒子展」も東京で初めて同時開催され、ファン必見の超ボリュームの展示会となっています!
本記事では、本展の見どころや会場の様子を写真とともにたっぷりレポートします。
九井諒子展&『ダンジョン飯』迷宮探索展 東京凱旋、開幕!
7月10日(木)開催初日、日時指定券が早々に完売するなど、酷暑に負けない熱量のファンの方々が池袋・サンシャインシティに集結しました。
入場特典として、4種類の中からランダムで1枚「オリジナルポストカード」がもらえます(有料入場券のみ)。どれが出るかはお楽しみです。


入場してすぐ、美しいキービジュアルがお出迎え。
東京では初めての開催となる「九井諒子展」へ期待が高まります...!

めくるめく魅力、九井諒子・初の個人展から
九井先生のこれまでの作品である『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』(2011年)、『九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子』(2012年)、『ひきだしにテラリウム』(2013年)の複製原画・原稿がずらり!作品やテーマごとに壁面のカラーが違うのもポイントです。

九井先生の画風の幅広さ、書き込みの細やかさ、美麗さに息を止めて見入ってしまいます。


パネルのライン。なんだかマンガの世界に入り込んだような気持ちに。
「貴重すぎて手が震える」とウワサの同人誌や、翻訳版の書籍も並んでいます。

絶対に見逃せない展示はこちらにも。

九井先生が、“マンガを描き始めた頃”のアナログ原稿が……!
こちらの3枚は、作品として世の中には出ていません。
繊細なタッチで描かれたシーンは、一体どんなストーリーの一部なのか―― 想像が膨らみます。
この展示会でしか見られない、ラフや制作過程動画、九井先生のインタビューやコメントなども必見です。
続いて『ダンジョン飯』へのいざない
『ダンジョン飯』のカバーアート展示は、どの会場でも特に人気のエリアとのこと。


見慣れたカバーイラストが生まれるまでの思考の軌跡をたどり、もしかしたらこっちのイラストが採用されていたのかも?と妄想するのも楽しいですね。
池袋会場でも、多くの人がじっくりと見入っていました。
アニメ『ダンジョン飯』のエンディングに使用されたイラストに導かれるまま進んでいくと、
『ダンジョン飯』迷宮探索展へ。

石造りの壁を模したパネルが、ダンジョンに冒険に出るような気持ちにさせてくれます。


おや?よく見ると…うっかり見逃しそうな直筆サインがいくつも!現地で探してみてください。
ここで一度ストップ。
なんと、この展示会のために録り下ろした、特別なボイスが流れているんです!
ボイスは録音NGのため、心ゆくまで耳に焼き付けることをオススメします。
いざ!冒険へ
『ダンジョン飯』迷宮探索展は、まさにダンジョンに潜る演出がなされています。
ランプなどの装飾も、気分が盛り上がります。
B1F・初心者の広場には…

美味しそうな「大サソリと歩き茸の水炊き」が!

こちらは鍋を囲んでの写真撮影もOKで、主人公ライオスたちの冒険パーティー(ライオス一行)気分を味わうことができます。
「こんなに大きな食品サンプルはなかなかないですよ!」と教えてくれたのは、展示プロデューサー・平方春佳さん(KADOKAWAレクリエーション事業局)。
体験型展示とも言えるフォトスポットや、魔物食の精巧な食品サンプルがあちこちに並びます。『ダンジョン飯』ファンはもちろん、何も知らずに誘われた人や、子供たちも楽しめること間違いなしです。美しい展示の数々は、某百貨店のショーウインドウを手掛ける専門のモデレーターさんにお願いしたとのこと。
平方さん「世界観を魅力的に伝えられるよう、魔物食はよりおいしそうに見えるよう、装飾にこだわり抜いています」

照明の色や明るさにもこだわりが感じられます。没入感がすごい。
ライオス一行のパネルは、ほぼ等身大! 並んで写真撮影するのもいいですね。

おごそかに飾られたケン助も、東京ソラマチ会場での展示時から、ちょっと違っているような?


平方さん曰く、ケン助はとっても重いとのこと。作中の戦闘シーンがよみがえり、冒険の解像度が上がっていく気がします。
まさかゴーレムと撮影できる日が来るなんて……!
「この広さだから、ゴーレムをはじめ、さまざまなフォトスポットを展示することができました。貴重ですよ!」


これは一人ではダメだ……、と思った方も安心してください!
スタッフの皆さん、いつでも写真撮影する気満々で待機しているそうです。
気軽に声をかけてお願いしちゃいましょう。
カエルスーツでライオスパーティに参加できるのは、後にも先にもここだけかもしれません。

ところどころで、美味しそうな魔物食が輝いています。レシピやアニメの場面カットと一緒に楽しめるのも嬉しいですね。


アニメ『ダンジョン飯』の創造過程に迫る──絵コンテ大量展示!
アニメ制作の裏側を垣間見る貴重な絵コンテの展示も見どころのひとつ。
シーンごとの構成や演出意図が細かく描き込まれた大量の絵コンテは、まさにアニメ『ダンジョン飯』がどのように生まれたのかを体感できる資料群。ここでしか見られない圧巻のボリュームです。


原画をつないで撮影した映像も流れています(写真右)。
絵コンテを見たあとだと、一瞬で展開されていくシーンもより感動的です。
さらに進むと、シアタールームが。

線画と実際のシーンが目まぐるしく入れ替わり、その違いを体験することができます。
シリアスな場面に、思わず立ち尽くしてしまいました。
深部の迫力!
続く部屋からは……、なんだか不穏な赤い光が……。

炎竜(レッドドラゴン)が待ち構えていました!巨大な頭、口、牙に圧倒されます。

その名に負けない、赤一色の空間。あまりの迫力に逃げ出しそうですが、ぐっとこらえて観察してみます。「ほぼ等身大なんですよ!」と果敢に身を乗り出す平方さん。お手本のようなポーズ。ここは演技力も必要そうです。

炎竜との激闘(※想像)を終え、ファリンの姿を探します。あれは……!

平方さんは「ここまでやる展示会はなかなかないですよね」と深く頷いてみせます。『ダンジョン飯』のコミカルさや、シリアスさ、奥行きある魅力を最大限表現し、没入させてくれます。
もちろん、炎竜の魔物食も!


ひとりでも、団らんに加わることができました。
魔物食フルコースを堪能
最後のエリアでは、池袋会場限定のアニメ第2クールにも登場する「魔物食」のサンプルが勢ぞろい!
作中の印象的な料理の数々が再現され、まるで宴の場に迷い込んだかのような臨場感です。
これだけの種類を一堂に見られるのは本会場だけ。食の世界観まで堪能できる、締めくくりにふさわしい展示となっています。

「おいしそう!」という声があちこちから聞こえます。
ふわふわの質感、ジューシーさ、温度などが伝わってくる精巧さで、ずっと見ていても飽きません。思わず触ってしまいそうになりますが、ぐっと堪えてください……!
料理の説明やレシピ、使用された魔物(!)、場面カットと一緒に楽しめます。




「展示会を見終えた方の感想で一番多いのが、“お腹空いた”なのはかなり特徴的ですね」と平方さんが教えてくれました。確かに、こんなに何を食べようか考えている展示会は初めての経験です。
ご飯で頭がいっぱいですが、忘れちゃいけない物販コーナーも要チェックです!
大充実の物販コーナー
池袋会場ではこれまでの会場には無かった新たなグッズが、なんと20種も追加されています。現在購入できるのはここだけ。
SNSで話題沸騰中の「マルシルの文鎮」や「ケン助のペーパーナイフ」「センシのパン」をはじめ、多数ラインナップに目がくらみます。


美しいイラストに見とれていたら、「複製原画もすぐにお持ち帰りできますよ!」とのお声がけが。九井作品の魅力にどっぷり浸かったテンションの後、すぐに飾れるのは嬉しいですね。
しかも、一会計3,300円(税込)以上のお買い物で、「ダンジョン飯」迷宮探索展 クリアカードが全8種からランダムで1枚もらえます。
池袋会場から新たに登場した「Tシャツ イヅツミ」と「Tシャツ ライオス」。
みんなで着てパーティを組んで、また展示会に来てみたくなります。

書籍コーナーも充実しているほか、ネットでも話題の個性豊かなCOSPAのグッズもずらり。

また、FuRyuから発売される美麗フィギュア「TENITOL TALL マルシル&ファリン ドレススタイルver. スペシャルセット」の彩色見本、KDcolleから発売されるキュートな「ごちそうさまファリン(キメラ)」の彩色見本も展示されているので、こちらもお見逃しなく。
最高の夏の思い出に
超ボリュームの『九井諒子展&「ダンジョン飯」迷宮探索展』、気づけばたっぷり3時間も楽しんでしまいました。1時間以上かけて、じっくり見て回る来場者が多い点も印象的とのこと。
「九井先生の作風の幅広さ、細やかな描き込み、世界観の魅力を伝えるために工夫しました。普段はあまり見えない制作の裏側やコメントなど、すみずみまで見て欲しいですね。サンシャインシティという広い池袋会場だからこそ実現できたボリュームは、この先実現が難しいかもしれません」
平方さんが熱く語ります。
「巡回して行く中で変化している部分もあるので、他の会場に来られた方も是非また来てください!お子様やファミリーにも楽しんでいただきたくて、原画等の展示も、額の位置を若干低めに設定しています!」

『九井諒子展&「ダンジョン飯」迷宮探索展』、東京凱旋・池袋会場での開催は、2025年7月27日(日)まで。美しい展示に感動し、冒険気分でワクワクする、最高の夏休みが池袋で待っています!
※本記事は、2025年7月時点の情報を基に作成しています