取締役会は経営に影響を及ぼす重要事項の意思決定及び業務執行の監督を重要な役割とし、その責務を果たしてまいります。
なお、取締役会にて意思決定が必要な事項につきましては、取締役会規則に決議事項として定めております。
当社は、取締役会規則を定め、法令上取締役会決議を要する事項及び、重要性や性質等に鑑み取締役会で決議することが適当と考えられる事項について、取締役会で、判断・決定しております。
さらに、取締役会は職務決裁基準を制定し、業務執行に関わる事項を執行役等に権限を分配することにより、意思決定の迅速化を図っております。
また決裁権限の内容、範囲については、その時々の会社の状況を踏まえて、機動的に基準の見直しを行っております。
当社の取締役は15名以内とする旨定款に定めており、取締役会の構成については、経営の健全性と透明性を確保するために過半数を社外取締役としております。取締役を選任するにあたっては、当社の基本戦略である「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進及びガバナンス強化の両面より候補者を選出することとし、法令に基づき指名委員会が取締役の選任に関する議案の内容を決定することとしております。また、規模については様々な面から活発な審議を行うために 必要な人数を保持しつつも、過大な規模にならないように指名委員会にて選任議案の内容の決定を行うものとしております。
当社では、独立役員の指定に際し、その独立性の基準として、㈱東京証券取引所が定める独立性基準に加えて当社との取引等において金額等の基準を以下のように定めております。
・以下のいずれにも該当しないこと
夏野剛氏は当社の取締役代表執行役社長CEO及び当社子会社である㈱ドワンゴの代表取締役社長に就任しております。当社の代表執行役社長CEOとして、中期経営計画の基本方針である「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進に貢献する等、当社の持続的な成長に寄与しております。その他、多くの企業の役員を歴任しており、経営者としての豊富な経験と高い見識を有しております。
山下直久氏は当社の取締役代表執行役に就任しております。その他、当社及びその子会社の取締役を歴任し、当社及びその子会社に精通しております。また当社における出版領域及び人事・総務業務の経験と当社及びその子会社の経営における豊富な経験と高い見識を有しております。
村川忍氏は当社の取締役執行役に就任しております。また、営業・マーケティング及び経営企画をはじめとした広範な分野の課題解決に取り組む他、当社の子会社の取締役を歴任し、当社及びその子会社に精通しております。
加瀬典子氏は当社取締役に就任しております。また、書籍編集、法人営業をはじめとした様々な分野において活躍し、現在は㈱角川アスキー総合研究所の代表取締役社長に就任しております。
川上量生氏は当社取締役に就任しております。また、当社子会社である㈱ドワンゴを設立し、同社の代表取締役を長年務め、現在は同社顧問に就任しております。
鵜浦博夫氏は、当社社外取締役に就任しております。また、日本電信電話㈱において、国内ビジネス競争力・収益力の強化、海外ビジネスの拡大等に取り組むなど最先端分野で活躍する経営トップとして豊富な知見・経験等を有しております。
ジャーマン・ルース マリー氏は、当社社外取締役に就任しております。㈱ジャーマン・インターナショナル代表取締役として、グローバル展開、インバウンド事業及び女性の活躍支援等での豊富な経験と高い見識を有しております。
杉山忠昭氏は、当社社外取締役に就任しております。長年にわたり花王㈱において法務・コンプライアンス部門の責任者を務めるとともに、企業法務の団体である経営法友会において代表幹事を務めるなど、法務・コンプライアンス領域における豊富な経験と高い見識を有しております。
笹本裕氏は、当社社外取締役に就任しております。DAZN Japan Investment合同会社の最高経営責任者を務め、また、Twitter Japan㈱の代表取締役並びにTwitter,Inc.,JAPAC,の副社長としてTwitterの日本及びアジア事業の成長を牽引した他、マイクロソフト㈱常務執行役員として同社オンライン事業の成長に貢献する等、IT・テクノロジー分野をはじめとする様々な分野において経営トップとして豊富な経験と高い見識を有しております。
宇澤亜弓氏は、当社社外取締役に就任しております。公認会計士として財務及び会計に関する高い専門性を有し、また、多くの企業において社外役員または第三者委員会委員を歴任しております。財務・会計をはじめとする豊富な経験と高い見識を有しております。
岡島悦子氏は、当社社外取締役に就任しております。㈱プロノバの代表取締役社長を務め、コンサルタントとして、次世代経営者の育成支援や人材開発等に携わり、また、多くの企業の社外取締役を歴任する等、経営体制強化に関する豊富な経験と高い見識を有しております。
草野耕一氏は、当社社外取締役に就任しております。長年にわたり弁護士としてM&A分野及びコーポレート分野における高い功績を残すほか最高裁判所判事を務める等、高い専門性を有しております。また、企業の社外役員を歴任し国内外のロー・スクールで教鞭をとる等、法務・ガバナンス分野にとどまらず国際経験・他業種という面においても豊富な経験と高い見識を有しております。
氏名 | 出席回数 | 出席率 |
---|---|---|
夏野 剛 | 19回中19回 | 100% |
山下 直久 | 19回中19回 | 100% |
村川 忍 | 19回中19回 | 100% |
加瀬 典子 | 19回中19回 | 100% |
川上 量生 | 19回中16回 | 84% |
周 欣寧 | 19回中18回 | 95% |
鵜浦 博夫 | 19回中19回 | 100% |
ジャーマン・ルース マリー | 19回中18回 | 95% |
杉山 忠昭 | 19回中19回 | 100% |
笹本 裕 | 19回中17回 | 90% |
芝 昭彦 | 19回中19回 | 100% |
宇澤 亜弓 | 19回中19回 | 100% |
マクドナルド デービット | 19回中19回 | 100% |
岡島 悦子 | 16回中16回 | 100% |
(注)
1.2025年3月期において当社は、合計19回の取締役会(定時取締役会12回、臨時取締役会7回)を開催いたしました。
2.取締役岡島悦子は、2024年6月18日開催の第10期定時株主総会において新たに選任されたため、取締役会の開催回数が他の取締役と異なっております。
当社は毎年、コーポレート・ガバナンス報告書において、取締役会実効性評価の概要を開示しております。取締役会の実効性の維持・向上を図るため、取締役に対してアンケートを実施し、2025年5月開催の取締役会において、取締役会の実効性についての分析・評価を行いました。今回の実効性評価においては監督と執行の分離・迅速な意思決定の観点から取締役会決議事項と経営陣への委任事項の振り分けが適切になされていることのほか、政策保有株式の保有の適否の検証状況、株主との対話の体制の構築、内部統制やリスク管理体制の構築等において高い評価がなされており、取締役会の実効性が確保されているとの評価となりました。
一方で、経営戦略や事業戦略等についてより深い議論を行いたいという意見や、社外取締役が過半数をしめるという取締役会の構成を踏まえた適切な議題の設定や発言の在り方について議論を深化させたいという意見がありました。実効性評価において確認された課題については取締役会で共有され、引き続き議論の充実化を進めてまいります。
指名委員会は、取締役5名で構成され(社外4名、社内1名)、委員長は社外取締役が務めます。指名委員会は、取締役選任及び解任に関する基本方針の策定、取締役の選任及び解任に関する議案の内容の決定、執行役等の選任及び解任に関する取締役会への答申並びに最高経営責任者(CEO)の後継者計画の検討等を担います。
指名委員会は合計9回開催し、役員の女性比率や在任年数を含む取締役選解任に関する方針、サクセッションプランの在り方に関する審議、その他個別の役員指名に係る決議を行いました。個々の委員の出席状況については以下のとおりです。
氏名 | 出席回数 | 出席率 |
---|---|---|
鵜浦 博夫 | 9回中9回 | 100% |
ジャーマン・ルース マリー | 9回中9回 | 100% |
杉山 忠昭 | 9回中9回 | 100% |
岡島 悦子 | 7回中7回 | 100% |
山下 直久 | 7回中7回 | 100% |
(注)山下直久氏及び岡島悦子氏は、2024年6月18日開催の取締役会において新たに指名委員に選任されたため、指名委員会の開催回数が他の取締役と異なっております。
報酬委員会は、取締役4名で構成され(社外3名、社内1名)、委員長は社外取締役が務めます。報酬委員会は、取締役及び執行役の個人別の報酬等の決定に関する方針の策定、並びに取締役及び執行役の個人別の報酬等の決定等を担います。
報酬委員会は合計11回開催し、中長期の経営目標に紐づくインセンティブプランの在り方として、株式報酬制度の再設計や金銭報酬水準の改定に関する審議、その他個別の役員報酬内容に係る決議を行いました。個々の委員の出席状況については以下のとおりです。
氏名 | 出席回数 | 出席率 |
---|---|---|
ジャーマン・ルース マリー | 11回中11回 | 100% |
笹本 裕 | 11回中11回 | 100% |
マクドナルド デービット | 11回中11回 | 100% |
村川 忍 | 8回中8回 | 100% |
鵜浦 博夫 | 3回中3回 | 100% |
(注)村川忍氏は、2024年6月18日開催の取締役会において新たに報酬委員に選任されたため、鵜浦博夫氏は同日開催の株主総会終結をもって報酬委員を退任したため、報酬委員会の開催回数が他の取締役と異なっております。
監査委員会は社外取締役3名で構成され、委員長は社外取締役が務めます。監査委員会は、取締役及び執行役の職務の執行の監査及び監査報告の作成、並びに会計監査人の選解任及び不再任に関する議案の内容の決定等を担います。監査委員会は、同委員会で決定する監査計画に基づき、当社の内部監査部門と連携しながら、監査を実施するものとしております。
監査委員会は合計22回開催し、情報セキュリティ体制及び海外事業におけるガバナンスを重点監査対象とし、2024年6月に発生したシステム障害対応に関する監査、米国子会社の現地実査を始めとする海外子会社の監査を実施しました。また、2025年1月に実施した第三者割当による新株式発行における払込金額について検討を行い、割当先であるソニーグループ㈱に特に有利な払込金額には該当しない旨の意見表明を行いました。
個々の委員の出席状況については以下のとおりです。
氏名 | 出席回数 | 出席率 |
---|---|---|
杉山 忠昭 | 22回中22回 | 100% |
芝 昭彦 | 22回中22回 | 100% |
宇澤 亜弓 | 22回中22回 | 100% |
EY新日本有限責任監査法人
2020年4月1日以降
指定有限責任社員 業務執行社員 原科 博文 氏
指定有限責任社員 業務執行社員 脇本 恵一 氏
(注)継続監査年数については7年以内であるため、記載を省略しております。
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士9名、その他31名であります。
監査委員会は、会計監査人候補者から、監査法人の概要、監査の実施体制等及び監査報酬見積額について書面を入手し、経営執行部門から情報提供を受け意見交換を行い、会計監査人候補者との面談、質問等を通じて、情報収集・分析を実施したうえで会計監査人を選定しております。会計監査人の解任又は不再任の決定方針に基づき、監査を遂行するに不十分であると判断した場合は、会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定いたします。
監査委員会は、会計監査人の評価基準を策定し、経理及び内部監査部門等から情報提供を受け意見交換を行い、会計監査人の品質管理、独立性、専門性、改善事項への対応状況等の相当性を検討し総合的に評価しております。
区分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | ||
---|---|---|---|---|
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) |
非監査業務に 基づく報酬(百万円) |
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) |
非監査業務に 基づく報酬(百万円) |
|
当社 | 111 | ‐ | 115 | ‐ |
連結子会社 | 9 | ‐ | 9 | ‐ |
計 | 120 | ‐ | 124 | ‐ |
区分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | ||
---|---|---|---|---|
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) |
非監査業務に 基づく報酬(百万円) |
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) |
非監査業務に 基づく報酬(百万円) |
|
当社 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ |
連結子会社 | 47 | 3 | 50 | 4 |
計 | 47 | 3 | 50 | 4 |
(2024年3月期)
連結子会社における非監査業務の内容は、税務に関するアドバイザリー業務であります。
(2025年3月期)
連結子会社における非監査業務の内容は、税務に関するアドバイザリー業務であります。
当社の事業規模、特性、監査日数等を勘案し、監査委員会の同意を得た上で決定しております。
監査委員会は、会計監査人の監査計画の内容、職務執行状況、過去の報酬実績、報酬見積額の算定根拠等を確認し検討した結果、相当であると判断し、報酬等の額に同意しております。