収入・生活の心配をせず、絵を描き続けていきたかった。
ペンを走らせている間は、とにかく無心になれるんです。昔から絵を描くことが大好きで、高校を卒業して美大に進学。グラフィックデザインを専攻しました。イラスト制作などに夢中になりましたね。しかし、コロナ禍で通学できなくなってしまったこともあり、その大学は中退してしまいました。その後フリーターとなるのですが、やっぱり描くことはやめられませんでした。バイトに出かけ、帰ってきたら絵を描く。そんな日々を数年間過ごしました。いつしか、こう思うようになっていました。「絵を描くことが仕事になったらどれほど幸せだろう・・・」と。そしてアニメーターを志したのです。
就職先にレイジングブルを選んだ理由の1つは、収入面・生活面での安心感でした。美大で基礎的な画力は身につけてはいましたが、アニメ制作の知識はほぼ独学。経験もありませんでした。業界的に、アニメーターの給与は出来高制であることが多いのですが、経験の浅い自分にとって出来高制は不安があったのです。固定給だったことは、自分には魅力的でした。「アニメ業界は大変そう」というイメージも確かに持っていました。ただ、絵を描けるだけで幸せな私は、「深夜残業も休日出勤もドンと来い!」という気持ちでした。けれど入社してみると、良い意味で肩透かしを食らった気分(笑) 会社に泊まり込んで作業するなんてことは幻想だったし、残業もほとんどありませんでした。

入社1年も経たず、憧れの先輩たちと一緒に仕事を。
入社後まず受講した新人研修では、アニメづくりの基礎知識を学んだり、トレスや中割りなどの作業を経験したりし、アニメーターとしての基礎体力を鍛錬。作画したものを監督や先輩にチェックしてもらい、フィードバックを受ける。その繰り返しで技術を磨いていきました。その後、動画マンからキャリアをスタート。レイジングブルは設立間もないスタジオで少数精鋭でもあるので、新人にもチャンスが多い環境だと感じます。美大で絵を学んでいたとはいえ、入社して1年経っていないにも関わらず、動画だけでなく第二原画の作業も任せてもらえることができました。
そして今、千羽由利子さん、中田栄治さんといったそうそうたるアニメーターの先輩たちと一緒に新作アニメの制作に携わっています。先輩のなかには、別のスタジオやリモートで作業している方もいますが、皆、常時オンラインをつなげて仕事をしています。作画中はいつでも質問できる環境ですし、千羽さんや中田さんも「分からないことは、分からないままにしないでどんどん聞いてね」と言ってくれています。子どもの頃から夢中になってきた数々のアニメを手がけた人と一緒に仕事をしているなんて、本当に貴重な経験だと思いますし、先輩たちから吸収できる技術はすべて吸収しよう! という気持ちでペンを握っています。
進化する職場。理想的な環境で、理想のアニメーターを目指す。

レイジングブルは、職場環境も日に日に進化しています。現場アニメーターやスタッフへのヒアリングや職場をより良くしていくためのミーティングが定期的に行われていて、業務上の困りごとや要望はいつでも会社に伝えることができますし、実際に改善が行われます。アニメーターとして、実に仕事のしやすい環境も整っています。使用するパソコンやツール類は高スペックですし、デスクやチェアも快適。スタジオ自体も移転を経て、設備が整ったキレイでかっこいい空間になっています。
入社してもうすぐ丸1年が経ちます。今の目標は、しっかりとした地位を確立した原画マンになることです。「伊藤に頼みたい」、「伊藤だから描ける絵がある」と言われるようなアニメーターになれたらと願っています。その先には、監督、キャラクターデザイン、演出など様々な道があると思いますが、今後いろいろな経験をしながら自分を磨き続け、進みたい道を選んでいけたらと思っています。余計な不安や煩わしさを感じることなく、とことん作画に集中できる環境だからこそ、自分の成長にも一生懸命になれる。そう感じています。