多彩なIPを、多彩な楽しみ方で。
“荒唐無稽で現実にはありえない世界を作る”ということに興味が沸いて、高校時代から演劇の世界に没頭。大学時代に所属した劇団では、演者をしながら宣伝を担当し、Webページやパンフレット、SNSを使った広報活動を行っていました。たくさんの人が集まって何もないところから物語を生み出す。そして一人一人がそれぞれの役割を全うすることで観客を集めて、喜怒哀楽に満ちた空間をつくっていく。そんな面白さを劇団の活動で体感しました。就職先も誰かと協働しながら「楽しい!面白い!」を築き上げていく仕事がしたいとKADOKAWA(当時メディアファクトリー)を選びました。入社すぐからマーチャンダイズ担当となり、様々なグッズの企画開発を行ってきました。KADOKAWAは、漫画・ライトノベル・アニメ・実写映画と実に様々なジャンルのIPを生み出しており、プロ麻雀チームまで持っています。幅広いジャンルのIPにまつわる仕事ができて、本当に飽きることがありません。
缶バッジから、浮世絵まで。
扱うIPが無限なら、企画開発するグッズの選択肢も無限です。キーホルダー、缶バッジ、タペストリーといった定番モノから、ライトノベルの登場人物が手に持っている武器のミニチュア、作品を象徴するモチーフやアイコンを活かしたバッグやアパレル、アクセサリー。専門知識が必要なため別チームにはなりますが、当然フィギュアもあります。珍しいものでは浮世絵も。『冴えない彼女の育てかた』や『デート・ア・ライブ』、『Re:ゼロから始める異世界生活』といった作品に登場するキャラクターを、浮世絵の世界に迷い込ませ、本物の名匠が原版を彫って、摺るという逸品です。一点、数万円もする商品ですが即完売。作品を生み出した作家さんにも喜んでいただけたと聞いています。作品の魅力を活かして何をつくるか。そこには無限の選択肢がある。ときに伝統工芸の力を借りるなど、自由な発想でものづくりに挑めるのは、この仕事最大の面白さですね。
「面白い」を
もっと面白くするグッズを。
ここ数年では、イベントと連動したグッズ企画の仕事も増えています。たとえば、『涼宮ハルヒシリーズ』にはバッティングセンターのシーンがあるのですが、イベント会場でシーンを再現したアクティビティを設置。その景品となるグッズを企画するという仕事がありました。コトづくりと連動してどんなものをつくろうか、とあれこれ妄想する機会は今後ますます増えていきそうです。また、インバウンドも強く意識する機会も増えています。KADOKAWAは成田空港や熊本のバスターミナルで、キャラクターグッズショップ「アニメデッキ」をプロデュース。多様なグッズを企画・販売していますが、そうした場所からも外国人ファンの熱量を感じます。言語の壁を越えて楽しめるのもグッズの魅力のひとつですし、日本だけにとどまらず、世界が喜ぶグッズをつくるチャンスに溢れているのはKADOKAWAならではですね。KADOKAWAからは日々、様々な作品が生まれ続けています。そうした魅力的な作品の、新しい楽しみ方を私はこれからも見つけ続けていきたい。そう思っています。
※記事内容は、取材当時(2019年12月)のものです。
WORKS 担当制作物
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『スレイヤーズ』30周年記念グッズ
言わずと知れた超人気作、『スレイヤーズ』。2020年に迎える誕生30周年を記念した一大イベントでは、様々な記念グッズ・限定グッズが展開される予定。
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『ようこそ実力至上主義の教室へ』
イベント連動グッズ「このライトノベルがすごい2020」でトップテン入りを果たした話題作。2020年には、作品単独のイベントが開催予定。
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『KADOKAWAサクラナイツ』オフィシャルペンライト サクラブレード
2018年に発足したプロ麻雀リーグ「Mリーグ」。AbemaTVで熱戦が伝えられているが、リーグに所属するサクラナイツの公式応援グッズとして、桜色に輝くペンライトが登場。