デジタル・カスタム部のミッションは、ビジネス・生活文化局が持っているコンテンツをデジタル化し、事業領域の拡大を図ることです。主にダ・ヴィンチニュース、レタスクラブニュース、毎日が発見ネットなどの運営を行っています。これらの媒体は紙からのコンテンツ流用もありますが、大部分はWebオリジナルでコンテンツを制作しています。
私の役割は編集業務の統括に加え、それを事業として成立させるための仕組みを整備し、媒体を成長させることです。媒体によってやれることも特性も異なります。例えばダ・ヴィンチニュースはKADOKAWAの媒体ですが、出版コンテンツ全体を広める役割を担っているので、出版業界の役にたつことが使命です。ドワンゴと協業している「次にくるマンガ大賞」では、「人気のでるマンガを探し、だれでも投票できる」仕組みを構築しました。昨年は15万人が投票する企画に成長し、賞自体の影響力もでてきました。これは一例ですが、それぞれの媒体の強みを活かすことが自分たちの成長につながります。

KADOKAWAへの転職を決めたのは、さまざまなコンテンツを有していることに大きな可能性と魅力を感じたからです。ここなら面白いことに挑戦できると思いました。
入社1年後に広告営業と兼務で、ダ・ヴィンチニュースの運営を任されました。当時、ダ・ヴィンチニュースは月間PV（ページビュー）が300万ほどで、発展途上の媒体でした。成長のために、紙とWebの役割を明確にして編集体制を刷新。さらに、Webオリジナルコンテンツを大幅に増やしました。
3年後にはPV2,000万、ユニークユーザー（UU）600万まで成長。収益も現在は健全な状態です。
仕事は自分一人で完結できません。良き仲間と恵まれた環境があってこその賜物です。仕事とはRPGのようなものです。良き仲間を得て、次のステージ（目的）へと進む。自分で魔法が使えなければ、使える人を仲間にすればいい。さまざまな能力を持った人たちが集まってこそ、次のステージへと進んで行けます。KADOKAWAという会社には、そんな素敵な仲間がたくさんいます。また、それを活かす環境があります。

現在、雑誌媒体社としての出版社は苦戦を強いられています。しかし、出版社にはこれまで蓄積した豊富なコンテンツがあり、コンテンツづくりの確かなノウハウを持っています。こうした強みをWeb上でどう展開していくか。組み合わせ次第では無限の可能性を秘めています。私はそもそもWebに詳しかったわけではありません。しかし業務を進める中で、雑誌で培った強みを転用して収益化していくことは可能と考えています。情報技術を学んだ人や興味・関心のある人は、IT業界だけが活躍の場ではないと思います。当社のような出版社でも、その能力を最大限に生かすことができると思います。
私が新卒の時を振り返って思うのは、「失敗をたくさんして、恥をたくさんかいてきた」と言うことです。最初から自分の思うように仕事ができる人はいないと思います。ちなみに、自分自身40歳を過ぎましたが、仕事で惑うことはたくさんありますし、「不惑」なんてウソだなと思います（笑）。でも新卒の頃に怖いもの知らずで、何にでもチャレンジをした経験が今も活きていると実感しています。当社を志望しこれから社会にでる皆さんも、失敗を恐れずチャレンジして、自ら成長の機会をつくりだして欲しいと思います。

※記事内容は、取材当時（2018年1月）のものです。