まだ見ぬ才能を見つけ出し、
大ヒットを呼び起こす。
現在、『月刊コミックアライブ』編集部に所属し副編集長の職に就いています。編集部では新人作家さんの発掘にも力を入れています。持ち込みもありますし、コミケなど同人誌即売会で本を出されている方にお声がけしたり、ネットで活動されている方に連絡をとったりと、発掘の手法は様々。「この人だ!」という新しい才能を見つけたら、どんな物語を描いていくか打合せを重ねます。並行して編集者は、月刊誌での連載開始にこぎつけるため奔走。編集部内では企画書や数話分のネームなどを揃えて、編集会議でプレゼン(ちなみに編集長との一対一の会話で連載が決まることも頻繁。そんなフットワークの軽さもこの編集部の魅力です!)。連載が決まれば、毎月、最大限に面白い原稿をあげていただくために作家さんに伴走。読者の反応も見ながら、より魅力的な展開を模索していきます。コミック(単行本)になる段階では、本の表紙などを手がけていただく社外デザイナーの方との打合せ。書店店頭POPやポスターといった販促物を営業局と企画するのも編集者の役目。アニメ化などメディアミックスの展開が起これば、アニメ局と作家との橋渡し役も担います。
さて、次はどんな驚きを
提供しようか。
作家と編集者は、共犯者のような関係だと思っています。読者を次々驚かせていくような仕掛けを一緒に練っていく。「こんな展開あり?!」「次はどうなるの?」。そんなドキドキを読者に抱いてもらえるよう、作家と企みを重ねるのです。単に原稿を受け取って、印刷所へ持って行くだけでは編集者の存在意義がありません。それは、物語をつくる段階だけでなく、販促物や単行本のパッケージなどを企画するときもそう。何らかの仕掛けをそこに込めることが大切だと思っています。
入社5年目で、
まさか?!の
新レーベル立ち上げ。
KADOKAWAの魅力は、スピード感。2017年の夏に『FLOSコミック』というレーベルを立ち上げる仕事を担いました。私がその企画を閃いたのはその前年の冬。当時、異世界ものを集めたレーベルは、KADOKAWAのみならず各出版社から続々と誕生していましたが、いずれも男性をメインターゲットにしたものが多かった。そこで、女性をターゲットにしたレーベルを競合他社が少ない内に立ち上げるべきだと考えたのです。その想いを雑談まじりで編集長に伝えてみると、「いいじゃない。企画書つくってよ」と。そこからあれよあれよと、自分が主担当でレーベル立ち上げへ。そこから半年ほどの時間で新レーベルが誕生しました。しかもまだ入社5年目だった自分がレーベル立ち上げを任されるなんて驚きです。でも、もし入社1年目だったとしても同じ結果だったかもしれません。良いアイデアは良い。年次は関係ない。それがKADOKAWA。歴史ある会社なのに、ベンチャー企業のようなスピード感をこのとき味わいました。こんな風に、自分はあれもこれもと仕掛けをしていくことが好きなタイプですが、編集部にはいろいろな編集者がいます。とことん作品づくりに没頭する職人的編集者、オリジナルアニメ作りにも踏み込んでいく多角的編集者など、一人ひとりの個性や情熱を思うままに発揮することができる。それがこの会社の魅力でもありますね。
※記事内容は、取材当時(2018年12月)のものです。
WORKS 担当制作物
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『剣鬼恋歌Re:ゼロから始める異世界生活†真銘譚』
「月刊コミックアライブ」にて連載中の『Re:ゼロから始める異世界生活』のスピンオフ作品コミカライズ。本編で登場した剣鬼・ヴィルヘルムを中心に過去を描いた本格ファンタジー。
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『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』
可愛すぎて話題騒然!日々成長する “うちの娘”を愛でるアットホームファンタジー。連載中の「異世界コミック」のコメント欄が大反響。2019年1月までに第4巻まで刊行。
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『聖女の魔力は万能です』
どこにでもいる、ちょっと仕事中毒な20代OL・セイが、残業終わりに異世界召喚。20代OLの異世界スローライフ物語。2017年7月から『FLOSコミック』にて連載スタート。現在、第2巻まで刊行。
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『復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる』
ワガママ幼馴染に巻き込まれ、異世界に召喚された瑠璃。召喚された先では、幼馴染のあさひが巫女姫さまに!? 精霊と魔法の王道異世界ファンタジー!! 2018年4月に第1巻を刊行。