KADOKAWAグループは、事業活動を行う国や地域における現地法令や労働基準を遵守し、従業員の権利を尊重しています。また、強制労働および児童労働(※1)を認めません。職場における差別や偏見、ハラスメントを許さず、従業員が多様な個性を認め合い、クリエイティビティを存分に発揮することのできる環境が、グループの事業活動に不可欠であると考えています。
KADOKAWAグループでは、こうした公正かつ適正な労働環境の整備を前提とした上で、従業員にとってより働きやすい環境をつくるため、さまざまな取り組みを行っています。
※1 現地法令の範囲内において、その特性上児童の就労が必要とされる業務(歌手・子役など)を除きます。
KADOKAWAでは、全従業員が時間や場所にとらわれず、自律的に行動する働き方=ABW(Activity Based Working)を導入しています。
2015年から検討が始まった働き方改革では、部署横断の推進チームにより、社会における多様化や働き方の変化を見越した計画が進められました。
アンケート、インタビューやミーティングを通じて現場の従業員の課題を見極めながら、テレワーク導入やサテライトオフィスの利用、社内手続きの電子化やペーパーレス化、フリーアドレス化などを段階的に進め、2019年より全社でリモートワーク制度を展開。2020年には全ロケーションのABW化が完了しました。また、2020年8月には、約1,000人がワンフロア(約2,700坪)で働ける開放的な空間や、高低差などを利用して意識を切り替えるデザインを特長とする新オフィス「所沢キャンパス」(※2)がところざわサクラタウン内にオープンしました。
現在では、所沢キャンパス、飯田橋の本社などの「東京キャンパス」、そして自宅やサテライトオフィスを含むあらゆる場所をワークプレイスと考える「Anywhere」の3つを軸に、従業員が多様なスタイルに合わせて働ける環境が実現しつつあります。
※2 所沢キャンパスは2021年8月に第34回「日経ニューオフィス賞」における最高賞「経済産業大臣賞」を受賞しました。
Photo: Tomooki Kengaku
リモートワークにおける快適な勤務環境を実現するため、さまざまな制度の拡充・支援を行っています。
[制度や支援の例]
※3 KADOKAWAグループでは、グループ標準のコミュニケーションツールとして、Slackをグループ23社で導入しています(2021年6月現在)。
KADOKAWAグループ全体のDXを推進するKADOKAWA Connectedは、4コママンガ「ICT ツール徹底活用マンガ」でSlackをグループに浸透させた手法などが評価され、「Slack Spotlight Awards」にて「Slack Spotlight Awards 国別部門賞」を受賞しました。
KADOKAWAでは、在宅ワークや子育て、介護など、従業員の多様な働き方を支援するため、さまざまな福利厚生・休暇制度を設けています。また、社内の課題発見や制度の効果検証を目的に、従業員の満足度や負担感を調査する「組織コンディション調査」を実施し、その結果を全社にフィードバックするとともに、社内施策の検討などに活用しています。
「守る」「支える」「学ぶ」「余暇」の4つを柱にした福利厚生制度を導入しています。
(制度例)
●出産祝い金
子育てと仕事の両立をサポートするため、子どもの人数に応じて祝い金を支給しています。
●育児手当支給制度
小学校就学前までの子どもを持つ従業員に対して、毎月手当を支給しています。
●ベビーシッター利用者支援
小学3年生までの子どもを持つ従業員に対して、ベビーシッター派遣サービスの利用を支援しています。
●在宅勤務手当
1日1時間でも在宅勤務をした場合に手当を支給しています。
●サブスク手当
従業員のクリエイティブな発想を支える施策として、従業員が契約するエンタメジャンルのサブスクリプションサービス(コンテンツなどを定額料金で一定期間利用できるサービス)の費用を支援しています。
●N予備校無料受講ID発行サービス
従業員の学びを支援する施策として、プログラミングやWebデザインを学ぶ機会を提供しています。
●従業員持株会
福利厚生の一環として従業員持株会を設置し、株式購入奨励金を支給しています。
育児や介護など、従業員一人ひとりがライフスタイルに合わせて活用できる休暇制度を導入しています。
(制度例)
●妊娠・出産・育児にかかわる休暇・休業
妊娠休暇、通院休暇、産前・産後休暇、育児休業を設けています。
KADOKAWAにおける育児休業取得状況(2020年8月1日~2021年7月31日)
男性 |
女性 |
|
---|---|---|
権利保有従業員数 |
42 |
16 |
取得従業員数 |
7 |
16 |
復職従業員数※1 |
7 |
15 |
1年経過時点で在籍する復職従業員数 |
7 |
15 |
育児休業取得率※2 |
16.7% |
100% |
育児休業復職率※3 |
100% |
100% |
育児休業定着率※4 |
100% |
100% |
※1 女性1名は育児休暇取得継続中。
※2 権利保有従業員(1歳未満の子どもを持つ従業員)のうち、育児休業を取得した従業員比率。
※3 育児休業を取得した従業員のうち、復職した従業員比率。現在育児休暇取得継続中の1名を除く。
※4 育児休業を取得した従業員のうち、復職後1年経過した時点で在籍している従業員比率。
●介護休暇・介護休業
要介護状態にある家族を介護する従業員は、対象家族の人数に応じて年間5~10日の休暇を取得できるほか、時短勤務などの利用、介護休業の取得などができます。
●子どもの看護休暇
小学校就学前までの子どもを持つ従業員に対して、子どもの人数に応じて年間5~10日の休暇を付与しています。
●ボランティア休暇
ボランティア活動などを目的とした休暇が取得できます。
そのほか、子どもの年齢に応じて時短勤務などの制度が利用できます。
従業員の満足度や負担感を調査する「組織コンディション調査」を年1回実施し、その結果を全社にフィードバックするとともに、社内の課題発見や制度の効果検証、社内施策の検討などに活用しています。
2021年1月の調査では、他社のデータよりも従業員の満足度が総合的に高く、負担感が低い結果となりました。スコアの比較的低かった一部の項目や、スコアは低くないが満足度との相関性が高い項目については、さらなるスコア向上に向けた施策の導入が進められました。
KADOKAWAでは、従業員の健康と安全を守るため、衛生委員会や長時間労働防止事務局を設置しているほか、各種相談・通報窓口を整備しています。
産業医と従業員から成る衛生委員会で月1回の協議を行い、従業員からの要望を会社側に伝える機会を設けるとともに、議事録を社内で公開しています。健康管理室より産業医からの労働衛生上の情報を定期発信(「健康管理室通信」)し、産業医による定期的な職場巡視も行っています。
社内イントラネットで閲覧可能な「健康管理室通信」
労働時間や残業に関する法令を遵守し、長時間労働防止事務局を設置して従業員の労働時間のモニタリングと注意喚起を行うことで、長時間労働の防止に取り組んでいます。
プライバシーが守られ、匿名で相談することのできる相談窓口のほか、コンプライアンス違反などに関する通報を適切に処理するKADOKAWAグループ共通の通報窓口として、コンプライアンスホットラインを設置しています。
(相談・通報窓口例)
●産業医・保健師との個別面談
●24時間社員相談窓口(外部)
●コンプライアンスホットライン
KADOKAWAにおける従業員の働きやすさ向上のための取り組みは、外部からも高い評価を受けています。
KADOKAWAは、女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優良な企業を厚生労働大臣が認定する「えるぼし」認定制度において、2017年9月に最上位の認定段階「3」を取得しています。
KADOKAWAは、仕事と家庭の両立を支援するため、テレワークや短時間勤務など、多様な働き方を実践している企業などを埼玉県が認定する「多様な働き方実践企業認定制度」において、2021年8月に最上位の認定段階「プラチナ」を取得しています。