2024年12月更新
KADOKAWAグループでは、従業員がその個性や能力を十分に発揮しながら活躍できる人材として成長するため、従業員の意思を尊重したキャリア支援や適材適所の実現、役職や事業に合わせたさまざまな研修などを行っています。
KADOKAWAでは、従業員のモチベーション向上、スキルを活かしたキャリア形成、適材適所の実現、KADOKAWAグループ内での新たなイノベーションなどを目的として、以下の制度や取り組みを行っています。
従業員の主体的な学びと自律的なキャリア形成を支援するため、対象資格を取得した従業員に対し、資格の難易度に応じて、合格時に3万~1,000万円の支援金を支給する制度。国内・海外MBA、語学、情報処理・デザイン系、経営、法務、会計など、多岐にわたる139の資格が対象。2022年3月に制度を導入し、2024年5月に改定しました。
従業員が希望するポジションに応募しマッチングを図る制度(KADOKAWA正社員および制度への参加表明をしたグループ会社の正社員が対象)。2021年10月より導入。希望部署への異動や全く異なる業種への挑戦が叶う可能性があるため、本制度は人材流出の防止にもつながっています。
従業員自らが、挑戦的、中長期的、もしくは部署横断的なプロジェクトを提案し、プロジェクトチームを組成、実現を目指すとともに、一緒にプロジェクトを推進するメンバーを社内公募できる制度です。公募によりプロジェクトに参画する際は原則10~20%の兼務として主務と並行して新しいチャレンジができます。編集未経験者が企画から校了までを担う「いきなり編集長」のように、今まで経験したことがない職種にチャレンジができる取り組み、子育てに関する規程の改定や、新しい福利厚生サービスを提案・実施する「HRプロジェクト 子育て支援」のように、従業員自らが働きやすい職場を考え実現していく取り組み、ボーイズラブ(BL)ジャンルに特化した社内横断プロジェクト「アジアBLプロジェクト」のような、“好き”や熱い想いを原動力にしていく取り組みなど、多種多様なプロジェクトがここから生まれています。2024年10月までに計18件のプロジェクト公募を実施、累計89名がプロジェクトに参画しており、プロジェクト参画を通したグループ企業間の従業員の人材交流や実践的なプロジェクト学習、緩やかな適材適所のトライアルの場にもなっています。
全従業員を対象に、働き方の選択肢を拡大し、自発的なキャリア形成を支援する制度。2021年4月より導入。約5%のKADOKAWA従業員が本制度を利用しています(2024年10月時点)。
社員の学びを支援する施策として、プログラミングやWebデザインを学ぶ機会を提供しています。
KADOKAWAグループでは、多彩な人材がさまざまな事業を生み出し・支えるとの考えから、多様性のある人材の採用に力を入れており、採用に関する各種制度を設けています。
キャリア採用において、KADOKAWAでは人材紹介エージェントや媒体を通じたスカウトに加え、業務に必要なスキルや経験がマッチするより良い人材の発掘を目的に、業務の現場をよく知る社員からの紹介制度を設けています。2021年1月の導入以来、本制度によるキャリア採用者数は136名となっています(2024年10月時点)。
KADOKAWAでは、国内外の大学院、大学、高等専門学校に在学中の皆さんを対象に、インターン制度を設けています。お試しの就業体験ではなく、3か月以上の長期間にわたる就業により、コンテンツビジネスを支える一員として学生の皆さんに活躍していただくことを期待しています。本制度を経て多くの学生の皆さんがKADOKAWAへ入社しています。
KADOKAWAでは、ビジネススキルの習得や各事業への理解の促進などを目的として、従業員に対しさまざまな研修を行っています。マネジメントに関する研修においては、人事部門が人材開発会社と共同で内容を設計した研修メニューに沿って実施しています。また、事業に役立つ情報や知見を得るための社内セミナー、勉強会も積極的に開催しています。
●新卒新人導入研修
毎年4月に新卒新人全員を対象に実施。働き方や社内で使用するシステム、各種制度、KADOKAWAグループの全体像、事業内容のほか、現場の雰囲気や社会人としての心得なども理解することを目的に実施しています。座学だけでなく、映像制作スタジオや印刷所など、実際の施設見学も研修期間に行っています。
●新卒新人フォロー研修
毎年2月に新卒新人全員を対象に実施。ビジネスパーソンが持つべき視点の確認など、新入社員の配属後のフォローアップを中心とした研修です。
●新任管理職・専門職研修
春期、秋期の年2回、新たに管理職・専門職に就いた従業員を対象に実施。
社外講師を招き、少人数でのワークショップ・グループディスカッションを交えた研修を行い、マネジメントの原理原則の理解と基本的マネジメントスキルを習得します。
●考課者研修
毎年5月ごろ、管理職を対象に実施。目標設定および考課フィードバック方法を学びます。
●OJTリーダー研修
毎年7~8月に新卒新人配属部署の教育担当先輩社員を対象に実施。新人育成の目的と先輩社員の役割、新人教育における知見と情報の共有などを行っています。
●次世代リーダー研修
春期、秋期の年2回、社内で選抜された従業員を対象に実施。経営戦略やリーダーシップ、ファイナンス、ビジネスプランニング、プレゼンテーションなどを学びます。
<KADOKAWAでの研修受講人数・一人当たりの研修時間・合計研修時間(2023年度)>
研修名 | 受講人数 | 一人当たりの 研修時間 |
合計研修時間 |
---|---|---|---|
新卒新人向け研修 (新卒新人導入研修、新卒新人フォロー研修) |
32名 | 140時間 | 4,480時間 |
管理職研修 (新任管理職・専門職研修、考課者研修) |
340名 | 11.5時間 | 3,910時間 |
OJTリーダー研修 | 28名 | 3.5時間 | 98時間 |
次世代リーダー研修 | 4名 | 56時間 | 224時間 |
●編集制作講座
編集者のスキルアップを目的に連続開催している講座。企画立案から出版物の制作に必要な知識の習得、販売促進やSNSを利用したプロモーションの手法、著作権や下請法など、出版物の編集と制作において必要な幅広い内容をテーマにオンラインで開催しています。
●事業部門向けシステム開発講習
新規事業開発、システム開発に事業部門の立場で関わるようになった人(非専門家)向けに、プロジェクトで失敗しないための基本ノウハウを伝える勉強会。
●デジタルプロモーション基礎講座
消費者購入プロセス、オウンドメディア、アクセスログ解析など、デジタルプロモーションの基礎知識を従業員に向けてレクチャーする連続講座。
●SNS勉強会
デジタル事業を推進する部門の従業員が主体となり、SNSの種類やプロモーション方法など、SNSに関して学ぶ勉強会を数回にわたって開催。延べ600名以上の従業員が参加し、知見を共有しています。
●プレスリリース書き方勉強会
KADOKAWAのプレスリリース配信代行サービス「PressWalker」編集部が、プレスリリース作成のノウハウをグループ従業員に向けてレクチャー。メディアに選ばれるプレスリリース作成のポイントについて共有しました。
ほかにも、メディアミックス事業における権利処理や音楽制作に関するセミナー、人権、多様性、差別など、メディアやコンテンツ制作に携わる者として必要な知見を得るための機会も設けています。
グループ会社でも、各社の事業と業務内容に沿った独自の研修を実施しています。
コンプライアンスポリシーおよびコンプライアンス規程に基づき、各種法令への遵守を徹底するとともに贈収賄・腐敗行為などの不正の防止や、ハラスメントの防止、反社会勢力の排除などに努めています。
KADOKAWAグループにコンプライアンスを浸透させるため、eラーニングによる啓発活動(正社員、契約社員対象)を毎年継続的に実施し、一人ひとりが自分事としてコンプライアンスを徹底できるよう、意識付けと知識の向上を図っています。
意欲的に取り組んでもらうため、会社として遵守すべきことを網羅したガイドブックとアニメ動画コンテンツの両輪で教育を展開、半期毎にテストを実施しています。
KADOKAWAグループ全体においては、リモートワーク環境の整備、各事業部門へのBPR(Business Process Re-engineering)支援サービスやデータ活用支援サービスを通じて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の思考と行動様式を浸透させることで、デジタルに精通しユーザー中心の改革を推進できるDX人材を育成しています。
BPR支援では、各部の要望をふまえてカスタマイズしたサービスを提供しており、2021年からは、株式会社KADOKAWA Connectedを主体に、BPR支援を通じて得られた知見を「KDX道場」と名付けたサービスでグループ内外に提供しています。
また、事業部門と宣伝のデジタル部門を兼務し事業のデジタルプロモーションに関する知見を相互に共有する「デジプロナレッジリーダー」を設置したり、データ活用に関する組織横断チームを組成し、個々の部署にそれぞれ存在していたデータの統合を図るとともに、従業員が同じ指標でデータを活用できるようなBI(Business Intelligence)ツールを整備するなど、業務を通じて、事業に活かせるデジタル知識を持ち合わせた人材を広く育成するよう取り組んでいます。
加えて、グループ従業員向けのデータ活用に関する研修プログラムも提供しています。ビッグデータの分析手法、BIツールを用いたダッシュボード開発手法、統計学や機械学習といったデータサイエンスなどさまざまなプログラムを提供し、データ・ドリブン経営を促進するデータ活用知識を持ち合わせた人材育成にも取り組んでいます。
●データ活用ラボ
編集者視点に基づいた新しいデータ活用施策について研究開発や社内情報発信を行う、出版事業の「IP創出」×「テクノロジー」の実現を目指すプロジェクト。編集部のデータ活用のサポートのほか、編集現場ですぐに使えるツールの提供も行っています。
●カチメモ
市場調査やヒットコンテンツ分析など、書籍・サービスの企画開発およびマーケティング活動において有用な情報を社内レポート「カチメモ」=「“価値”あるデータをまとめた“勝ち目”の発見につながる“メモ"」として提供したり、ポイントを解説する勉強会を行っています。
●データリテラシートレーニング
Tableauを使ったデータ可視化・活用などから、Pythonを使った高度な分析を行うためのハンズオン研修まで、高い専門性を持つ従業員が受講者の意欲とレベルに応じたトレーニングを提供しています。
KADOKAWAでは、正社員・継続雇用契約社員・特務社員は年1回、契約社員は年2回の考課を行っています。業務の目標設定・調整と振り返り、上司からのフィードバックを行う複数回の面談を設け、従業員を公正に評価するよう努めています。
2023年度より、管理職が期待される役割を果たせているかを問うため、マネジメント行動評価を導入しています。上司から部下への一方的な評価だけでなく、部下から上司への評価も参照できるよう、「アップワードフィードバック」というサーベイも実施しています。また、どのような要因でモチベーションが変化するかを定量的に測定する適性検査「アチューンド」も導入しました。従業員のモチベーションコントロールに役立てるほか、適切なミッションのアサインや組織運営にも役立てています。
KADOKAWAグループでは、従業員のオープンで自律的な事業提案や改善提案を促進する取り組みとして、2019年から2022年まで、チーフオフィサー(CO)以上の役員が審査し、表彰および実現するイノベーションプランコンテストを実施しました。コンテストで入賞したプランは実際に事業化され、QRコード&短縮URLサービス「QRouton」(クルトン)や、縦スクロールで読める漫画「タテスクコミック」の開発などにつながっています。
コンテストを通じて従業員が積極的に提案する企業風土が醸成され、現在ではグループ従業員がいつでも新規事業や業務改善を提案できる仕組みを設けています。
●グローバルビジネス・アクセラレーション・プログラム(GAP)
海外事業においては、2022年10月より「グローバルビジネス・アクセラレーション・プログラム」をスタートしました。グループ全体から海外事業アイデアを募集するとともに、海外事業に関心のある人材を発掘することも目的としたプログラムで、セミナーやワークショップを通じてグローバルに展開する企画の事業化を検討します。2023年度は28件の企画応募のうち4件が採択され、2022年度に採択された企画と合わせて計6つのプロジェクトを事業として検討。国内外の名著をコミカライズする新シリーズ「KADOKAWA Masterpiece Comics」、世界に向けた新しい漫画賞「ワードレス漫画コンテスト」が始動しました。
また、海外拠点の優秀なプロジェクトを表彰する「Global Business MVP Awards」を設置、MVP賞や各賞を授賞することで、海外現地法人役職員のモチベーションアップとグループ従業員としての意識向上、グループ戦略方針や理念の浸透も図っています。
●アイデアソン/ハッカソン
KADOKAWAグループの従業員を対象に、特定のテーマに対して有志が集まってアイデアを出し合い、ブラッシュアップさせて良質なアイデアにまとめ上げ、企画として実現させていく、株式会社ドワンゴ主催の「アイデアソン/ハッカソン」を行っています。ドワンゴ独自で実施していた取り組みを2022年7月よりグループ全体に対象を拡大、これまで7回開催し、累計134件のアイデアが集まりました(2024年10月時点)。あったらいいなと思うもの、SNS、ワールドカップ、健康、ゲーミフィケーションなど、多様なテーマを設定し開催しています。参加メンバー間のコミュニケーションが促進され業務進行がスムーズになる、グループ会社の交流によってイノベーション(新しい知見)が獲得できる、ゼロイチからモノをつくる楽しさを体験できる、などの効果が得られ、新たな企画の発案に役立っています。
そのほか、社長へダイレクトで意見や質問を送ることができるオンラインフォーム、メールでの相談窓口などを設け、オープンでイノベーティブな環境を整えています。
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