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東大が、受験生ひいては世間に投げかけるメッセージとは?
東京大学の二次試験で出題される日本史の問題(以下、東大日本史)では、「豊臣秀吉が刀狩令を出した」などの出来事を直接問うたり、人物に焦点を当てたりすることがありません。
にもかかわらず、毎年ユニークな出題で歴史好きを魅了し続けています。
歴史上の人物がドラマで描かれる際には、どんな時代のどんな人物が主人公として選ばれても、時代の荒波を真正面から受けながら新しい時代を切り開いていこうとする姿が見る者を惹きつけるでしょう。<人>の面白さが歴史の面白さの一つであることは間違いありません。
しかし、もう一つの側面である、<なぜ?>を問う面白さ。ここに東大日本史の面白さがあるのです。
・現在のような皇位継承のあり方が定着したのは<なぜ?>
・北条氏が将軍になれなかったのは<なぜ?>
・豊臣秀吉がキリシタンに脅威を感じたのは<なぜ?>
このように<なぜ?>と問うていくことで、天皇家と藤原氏の関係や、血筋による武家社会のピラミッド、秀吉の目指した権力のあり方などが浮かび上がっていきます。
そうして見えてくるのが、この国の<しくみ>とも言えるものなのです。
さまざまな出来事が絡み合うことで、それぞれの時代に特有の<しくみ>が生まれてくる。それは、院政の<しくみ>や幕藩体制の<しくみ>です。しかし、その<しくみ>も永久不変のものではありません。その<しくみ>の上に生じたさまざまな出来事によって、また新しい<しくみ>がつくられていきます。東大日本史が問うのは、<しくみ>が生まれてくる瞬間であると言えるでしょう。
面白すぎる東大日本史から、これぞという問題を厳選して収録!
東大日本史の問題は一問一問がそれ自体で完結した作品となっていますが、当然、その内容は高校で学ぶ日本史の中に位置づけられます。そして、何十年と出題されてきた問題を見通すことで、歴史の全体像をつかむことができます。
古くは40年前、昭和時代に出題された問題から令和時代の新問題までを、近年の研究成果もふまえるとともに問題どうしのつながりも意識しながら20テーマで構成しました。
「歴史の結び目」で時代間のつながりを示す
各テーマ、解説と模範解答を示した後に「歴史の結び目」という項目を設けて、歴史上での位置づけや次の問題へのつながりを説明しました。
古代は「完コピ」、中世は「自力解決」、近世は「階層分化」、近代は「一等国」というキーワードに着目することで、それぞれの時代の特徴がつかめるようになっています。
<なぜ?>を問う面白さが詰まった東大日本史のディープな世界を、ぜひ堪能してください。
【刊行記念オンラインセミナー開催】
本書の刊行を記念して、2024年3月5日(火)19:00よりオンラインセミナーを実施します。
本書発売日に実施されたばかりの、2024年度東大入試日本史問題を最速で解説し、その魅力を味わうセミナーです。
セミナーに関する詳細は、以下からご確認ください。
【書籍刊行記念】『東大のディープな日本史』まだまだある面白東大入試の沼
https://studywalker.jp/seminar/detail/826/
【書誌詳細】
書名:歴史が面白くなる 東大のディープな日本史 傑作選
著者:相澤理
定価:1,760円(本体1,600円+税)
ISBN:978-4-04-606514-8
判型:四六判
ページ数:256ページ
発売日:2024年2月26日(月)
発行:株式会社KADOKAWA
KADOKAWAオフィシャル書誌詳細ページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322306000266/
【著者プロフィール】
相澤理(あいざわ おさむ)
1973年生まれ、東京大学文学部卒。
市進予備校prep15水道橋校・Z会東大マスターコースで〈東大日本史〉講座を担当し、数多くの東大合格者を輩出する。
現在は、通信教育予備校「早稲田合格塾」のほか、首都圏の高校で受験指導にあたる。
主な著書には、ベストセラー『歴史が面白くなる 東大のディープな日本史』の他、『大学入試 マンガで倫理が面白いほどわかる本』(以上、KADOKAWA)、『悩んだら、先人に聞け!』(笠間書院)、『大人の学参 まるわかり日本史』(文藝春秋)などがある。
Xアカウント:@o_aizawa