商品・サービストピックス
長野県佐久市立国保浅間総合病院の「スマート外来」では、患者の8割が3か月間で約5キロの減量に成功しています。著者の尾形哲氏は生体肝移植手術のためにドナーの肝臓の脂肪を落としてきたノウハウから、脂肪肝、糖尿病改善のための外来を2017年に開設しました。
その臨床経験に最新のエビデンスを加えて、肝臓に脂肪がたまる要因である「お酒」と「甘いもの」を減らしていく、無理なく続けられるメソッドに仕上げたのが本書です。
コロナ禍の在宅飲みの習慣によって飲酒量が増え、アルコール由来の脂肪肝の人が増加していますが、そもそも1日に飲んでよいお酒の量の上限は、遺伝子によって3パターンに分かれます。そのサインは、飲酒で顔が赤くなるか否か。かなり個人差のあるものなので、それぞれの遺伝子タイプにあった減酒方法を続けることが大切です。
そもそも、「糖質ゼロのお酒なら飲んでも太らない」と思っている方が多いのですが、それは大変な誤解です。アルコールには、糖質以上のカロリーがあります。
焼酎やウイスキーなどの蒸留酒はアルコール度数が高いので、ハイボールなどをくいくい飲むのは4度目の食事と同じ。赤ワイン2杯でも、おにぎり1個分のカロリーがあります。
そこで本書では「家飲みなら」「飲み会なら」と、シーンごとのスマートな減酒のコツを、マンガと図版で解説。見るだけでわかるページ構成で紹介しています。
さらに、筋トレや運動の後でビールを飲んだとたんに、筋肉の合成が3割も妨げられる事実もあまり知られていません。
その対策として、ヨーロッパをはじめ、昨今スポーツドリンクとしての人気も高いノンアルコール・微アルコール飲料についても商品リストとともに紹介。
「ノンアルコールビールにはリラックス効果がある」ことも最近の調査研究で判明しているので、お酒とノンアル飲料の使い分け方も詳しく提案しています。
さて、大量にお酒を飲む習慣がなくても、脂肪肝の方(非アルコール性脂肪性肝疾患)が、約2000万人と推計されています。甘いものの食べ過ぎは、脳の指令で食欲が暴走すること。「疲れたから」「今日は頑張ったから」というご褒美スイーツが、さらに疲労感を増しているという悪循環を生んでいるのです。
この負のスパイラルを上手に回避して甘い超加工食品を食べ続けないコツも紹介。無理なガマンをし続けて、かえって「ストレス食い」に走らないポイントもいっぱいです。
楽しくお酒を飲むことは人とのコミュニケーションの場であり、人生のかけがえのない時間でもあります。スイーツをいただくのも、幸福を感じられる大切な時。
人生100年、どちらも一生楽しめるよう、肝臓を傷めず、無理せず、上手に減らしていく方法が、やさしく伝わる一冊です。
【書籍概要】
書名:肝臓から脂肪を落とす お酒と甘いものを一生楽しめる飲み方、食べ方
著者:尾形 哲(肝臓外科医)
発行:株式会社KADOKAWA
定価:1,540円(本体1,400円+税)
発売日:2023年9月21日(木)
判型:A5判
総ページ数:160ページ
ISBN:978-4-04-897639-8
KADOKAWAオフィシャル 書誌詳細ページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322305000240/
【著者プロフィール】
尾形 哲(おがた さとし)
長野県佐久市立国保浅間総合病院外科部長、同院「スマート外来」担当医。医学博士。
1995年神戸大学医学部医学科卒業、 2003年医学部大学院博士課程修了。
パリ、ソウルの病院で多くの肝移植手術を経験したのち、2009年から日本赤十字社医療センター肝胆膵・移植外科で生体肝移植チーフを務める。さらに東京女子医科大学消化器病センター勤務を経て、2016年より長野県に移住。一般社団法人日本NASH研究所代表理事。2017年スタートの「スマート外来」は肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来。著書に「専門医が教える肝臓から脂肪を落とす食事術」、「専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす7日間実践レシピ」(小社刊)などがある。