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【第12回山田風太郎賞】
第12回山田風太郎賞の選考会及び記者会見は、新型コロナウイルス感染症の情勢を考慮しまして、テレビ会議システム「Zoom」にて実施しました。
代表して選評を述べた奥泉光氏は、「今回、粒ぞろいで面白い作品が多かった中で『黒牢城』がひとつ図抜けていた。山田風太郎賞にふさわしい趣向性、奇想があるという点でほぼ満場一致に近い票を集めた。“時代小説でありながらミステリである“というエンタテインメント的志の高さ。これが評価されました」と話しました。
この日の記者会見で米澤氏は、「20年小説を書き続けることができたというのは、読者に支えてもらった結果だと思っています。そして、山田風太郎先生の名を冠した賞を、この節目の年にいただいたことは本当に光栄です」と感謝の言葉を喜びとともに語りました。
米澤氏には、正賞として記念品(名入り万年筆)と副賞 100万円が贈られます。
【米澤穂信著『黒牢城』あらすじ】
信長を裏切った荒木村重と囚われの黒田官兵衛。二人の推理が歴史を動かす。
本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。
デビュー20周年の到達点。『満願』『王とサーカス』の著者が挑む戦国×ミステリの新王道。
(KADOKAWA書誌ページより:https://www.kadokawa.co.jp/product/322101000890/)
【著者略歴】米澤穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。43歳。男性。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞してデビュー。11年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年に『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』および15年発表の『王とサーカス』は3つの主要年間ミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続三冠を達成した。他の作品に『真実の10メートル手前』『いまさら翼といわれても』『本と鍵の季節』『Iの悲劇』『巴里マカロンの謎』などがある。
【山田風太郎賞】
「山田風太郎賞」は戦後日本を代表する大衆小説家、故山田風太郎氏の独創的な作品群と、大衆性、ノンジャンル性、反骨精神など氏が貫いた作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するために創設しました。毎年9月1日から翌年8月31日までに刊行された長編および短編の文芸作品(ミステリ、時代、SFなどジャンルを問わない)の中より最も面白いと思われる作品に贈ります。新人、新進、中堅作家の作品が対象となります。
なお、例年実施しておりました本賞の祝賀会は、新型コロナウイルス感染拡大の状況を考慮し、残念ながら中止とさせていただきます。贈賞式については、後日関係者のみで実施する予定です。