テンセントが「未来都市」を建設する計画を明らかにするなど、近年注目を集める都市・深圳。本書はそのイノベーションに造詣の深い識者・経営者が集い、成功の鍵として「プロトタイプ駆動」に着目し、深圳の成長要因とネクスト深圳の条件を考察したもので、読者から高い評価をいただいてきました。
<大平正芳記念賞とは>
大平正芳記念財団は、故大平正芳総理の偉業を記念するとともに、日本外交の重要な 一環を形成する環太平洋連帯構想に関する学術研究等の奨励援助を行い、 もって同構想の推進と思想の普及に寄与することを目的として昭和60年(1985年)に設立された財団です。その事業として、「環太平洋連帯構想」の発展に貢献する政治・経済・文化・科学技術に関する優れた著作に対し、「大平正芳記念賞」を設け表彰しており、今年で第37回目となります。
※情報は公益財団法人大平正芳記念財団のWEBサイトより引用。
( http://ohira.org/ ) |
<受賞作『プロトタイプシティ 深圳と世界的イノベーション』について>
テンセントが未来都市を作る街、新時代都市・深圳。成功の鍵は“プロトタイプ駆動”にあった。超高速で試作品を創り、短納期で量産品を作り、社会実装する。
「まず、手を動かす」が時代を制した。
産業の中心は「非連続的価値創造」にシフトした――。
現代は「プロトタイプ」、頭でっかちに計画を立てるよりも、手を動かして試作品を作る。まずは手を動かす人や企業が勝利する時代となった。そして、先進国か新興国かを問わず、プロトタイプ駆動によるイノベーションを次々と生み出す場、「プロトタイプ・シティ」が誕生し、力を持つことになった。
その代表例が、近年、急速に一般からも注目を集めた中国の都市・深圳である。テンセントが「未来都市」を建設する計画を明らかにしたが、その場こそ、深圳だ。ではなぜ、深圳は世界の耳目を集め続けるプロトタイプシティに変われたのか? また、コロナを経て、シリコンバレー、深圳の次にくるメガシティ、準メガシティは一体どこか? その条件は? そして、日本からプロトタイプシティは生まれるのか? 我々一人ひとりは、プロトタイプシティ時代にどう対応すればいいのか?
深圳イノベーションを知り尽くした識者・経営者が集結し、徹底開示する!
【著者プロフィール】
■編著者
高須 正和(たかす まさかず)
1974年生まれ。IoT開発ツールの開発・輸入販売を行っている株式会社スイッチサイエンスの事業開発担当。深圳をベースに39都市107回のメイカー向けイベントに参加しているほか、深圳、シンガポール、上海等では運営をサポート。ニコ技深圳コミュニティの共同発起人として、藤岡淳一と共に日本と世界のメイカームーブメントを繋げる活動をしている。早稲田大学ビジネススクール非常勤講師。著書に『メイカーズのエコシステム』(インプレスR&D、2016年)。訳書に『ハードウェアハッカー』(技術評論社、2018年)。
高口 康太(たかぐち こうた)
1976年生まれ。中国経済、中国企業、在日中国人社会を主な取材対象とするジャーナリストで、デジタル化と監視社会化の進行、ベンチャー企業の台頭など中国の最前線を追う。千葉大学客員准教授、週刊ダイヤモンド特任アナリストを兼務。著書・共著・編著に『幸福な監視国家・中国』(NHK出版新書、2019年)、『中国14億人の社会実装』(東京大学社会科学研究所 現代中国研究拠点、2019年)等。
■著者(50音順)
伊藤 亜聖(いとう あせい)
1984年生まれ。東京大学社会科学研究所准教授、経済学博士。研究内容は中国の産業発展と対外直接投資活動、アジア経済。2017年度に深圳大学中国経済特区研究センターに滞在研究。著書・共著に『現代中国の産業集積 「世界の工場」とボトムアップ型経済発展』(名古屋大学出版会、2015年)、『中国14億人の社会実装』(東京大学社会科学研究所、2019年)ほか。
澤田 翔(さわだ しょう)
1985年生まれ。連続起業家、エンジニア。慶應義塾大学環境情報学部卒。在学中にアトランティスの創業に参画。 2011 年、ビットセラーを創業。スマートフォンアプリを手がけて2015年にKDDIに売却。世界の決済サービスやニューリテール (小売業のIT融合) に造詣が深く、インターネットの社会実装をテーマにした「インターネットプラス研究所」を2018年に設立。中国デジタル化の最新動向に詳しく、レポートも多数執筆している。
藤岡 淳一(ふじおか じゅんいち)
1976年生まれ。株式会社ジェネシスホールデイングス代表取締役社長、創世訊聯科技(深圳)有限公司董事總經理。KDDI∞Labo社外アドバイザー、ピーバンドットコムやソースネクストの顧問を兼務。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2019を受賞。2011年に中国・広東省深圳市で起業し電子製品の工場を経営。主に日本企業のICT・IoT製品の開発・製造受託や、スタートアップ企業の量産化支援を手がけ、案件相談や支援要請が殺到している。
山形 浩生(やまがた ひろお)
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。 大手シンクタンクに勤務の頃から、幅広い分野で執筆、翻訳を行う。著書に『断言 読むべき本・ダメな本―新教養主義書評集成・経済社会編』(Pヴァイン、2020年)など。訳書にピケティ『21世紀の資本』(みすず書房、2014年)ほか多数。
【書誌情報】
書名:プロトタイプシティ 深圳と世界的イノベーション
編著者名:高須正和、高口康太
発売:2020年7月31日(金) 電子書籍も配信中
定価:2,640円(本体2,400円+税)
体裁:四六判/上製
頁数:264頁
発行:株式会社KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/321810000028/