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「引きこもり」「不登校」「ネグレクト」「虐待」。
重苦しい現実のなか、ひときわきらめく「美しい夜」の存在。
乙女たちの心をとらえた「魔法のiらんど」より、新たなる才能の登場です。
主人公の晴野(はるや)は、日中は部屋を出られず、学校にも通えない状態の高校生。生活必需品を買うため夜に外出し、同級生の美夜子と出会って、時間を共有していきます。優等生の彼女はなぜ夜に外出するのか、そして彼女が言った「わたし、悪い人間になりたいの」という台詞の意味とは…………。
ネグレクトや引きこもりなど、社会的に重いテーマを扱いながらも、全編において美しい文章で紡がれる物語は不思議と重さを感じさせることはなく、ただ胸を引き絞られるような切ない痛みと、甘い優しさをもって進んでいきます。
出会いによって、夜に閉じ込められた二人が次第に光に向かっていく様は、まさに希望。少年少女だけでなく、かつて少年少女であったすべての方に、読んでもらいたい物語です。
■書店員の皆さんからの共感のお声も多数!
◇閉ざされた扉のような暗い夜空が、細やかな美しい星が輝く夜空へと変容していくような人間ドラマ。その揺るぎない想いの強さに、心が打ち震えました。(紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん)
◇晴野や美夜子たちの同世代はもちろん、その親世代にもぜひ読んでいただきたい繊細で残酷で美しい物語。(六本松 蔦屋書店 峯 多美子さん)
◇青春は甘酸っぱいだけじゃない。苦さも辛さもあり、むき出しの心を容赦なく傷つけてくる。それでもこの二人が出会って良かったと心から思いました。(未来屋書店 碑文谷店 福原夏菜美さん)
◇息が苦しくなってしまうくらい登場人物の心を伝えてくる、繊細な描写の連続に圧倒されました。(福岡金文堂 行橋店 富山未都さん)
■「わたし、悪い人間になりたいの」という彼女の本心は……。内容をご紹介。
高校生の晴野(はるや)は部屋を出られない。胸がどきどきして苦しくなるからだ。そのせいで学校にも行けず、ひとけのない夜にだけ外に出る生活。奔放な母親は再婚した義父と暮らしており、連絡は途絶えがちになっている。母親の記憶は、見知らぬ男からの暴力と二重写しだった。
ある夜、コンビニからの帰り、晴野は同級生の美夜子(みやこ)と出会う。「悪い人間になりたい」という彼女は、そのわりに、飲酒も喫煙も、万引きも暴力も「犯罪だから駄目だよ」と言う。そして晴野は美夜子と、まるで子供の遊びのような、無邪気な夜の時間を重ねていく。しかし夏のある日、彼は彼女の「秘密」に気づき……。
■著者プロフィール
中山史花(なかやま あやか)
小説投稿サイトにて小説を発表し、魔法のiらんど大賞2022小説大賞文芸総合部門・特別賞を「美しい夜」で受賞。
美しい言葉選びと描写力が特徴の新鋭。
■書誌情報
書名:美しい夜
著者:中山史花
定価:1,705円(本体1,550円+税)
判型:四六判
ページ数:438ページ
ISBN:978-4-04-114613-2
発売日:2024年5月21日(火)
発行:株式会社KADOKAWA
KADOKAWAオフィシャル書誌詳細ページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322310000524/
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