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選考委員を代表して選考経過を述べた葉真中顕氏は、「連作短篇集であり、ゲームを題材にするにあたって1話ごとに大胆さが増していき、設定も大きくなる、という構造が、読みなれない人にも間口が広く、読んだことがないような面白さ」「テーマとして、ゲームとは何か、が非常によく考えられた作品」と評しました。
この日の会見で青崎氏は、「単純な嬉しさももちろんあるが、(本作品は)あらすじ的には非常にエンターテインメント色の強い本。こうした文学賞との相性は正直どうなのか、という思いはあったが、そのハードルを越えてくれたということで、そこも非常にうれしく思っています」と受賞の喜びを語りました。
「騙しと理詰め」が冴えわたる頭脳バトル小説として注目を集める本作品は、今週5月16日(木)に選考会を控える「第37回山本周五郎賞」(一般財団法人 新潮文芸振興会主催)の候補作にも選出されています。
この機会にぜひ読んでみてください。
★日本推理作家協会賞に関してはこちらから
選考委員(敬称略、五十音順)
〈長編および連作短編集部門〉
芦辺拓氏、宇佐美まこと氏、月村了衛氏、葉真中顕氏、喜国雅彦氏
〈短編部門、評論・研究部門〉
今野敏氏、柴田哲孝氏、恒川光太郎氏、湊かなえ氏、柚月裕子氏
※受賞の言葉・選評などは、日本推理作家協会公式ホームページと会報、贈呈式で配布される冊子へ掲載予定です。
『地雷グリコ』について
◆あらすじ
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。
罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。
次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――。
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。
◆書誌情報
作品名:地雷グリコ
著者名:青崎有吾
発売日:2023年11月27日(月) 電子書籍同日配信
定 価:1,925円(本体1,750円+税)
頁 数:352頁
体 裁:四六判並製 単行本
装 丁:川名 潤
ISBN:9784041140468
発 行:KADOKAWA
初 出:
地雷グリコ……「小説屋sari-sari」2017年11月号
坊主衰弱……「カドブンノベル」20年11月号
自由律ジャンケン……「小説 野性時代」22年3月号
だるまさんがかぞえた……「小説 野性時代」23年2月号
フォールーム・ポーカー……書き下ろし
詳 細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322011000437/
★第24回本格ミステリ大賞【小説部門】受賞リリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000014714.000007006.html
著者紹介 青崎有吾(あおさき ゆうご)
1991年神奈川県生まれ。明治大学卒。在学中の2012年『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。14年に『水族館の殺人』で第14回本格ミステリ大賞(小説部門)候補、20年に『早朝始発の殺風景』で第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、24年に本書『地雷グリコ』で、第24回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞、第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞、第37回山本周五郎賞候補となる。著作は他に、〈裏染天馬〉シリーズの『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』『図書館の殺人』、〈アンデッドガール・マーダーファルス〉シリーズ、〈ノッキンオン・ロックドドア〉シリーズ、『11文字の檻 青崎有吾短編集成』がある。「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の『ガス灯野良犬探偵団』(漫画:松原利光)の原作も担当。
KADOKAWA文芸マガジン「カドブン」(https://kadobun.jp/)で読める!
★騙しと理詰めが勝利を導く! 究極のゲーム小説『地雷グリコ』青崎有吾インタビュー
https://kadobun.jp/feature/interview/entry-90330.html
★極上の謎と驚きに満ちた沼へ、ようこそ――沼ミステリ10選
https://kadobun.jp/feature/book_concierge/entry-89220.html
★知的興奮、ここに極まれり。「頭脳戦小説5選」