中学時代、友人に教えてもらった『とある魔術の禁書目録』でアニメの魅力を知り、『涼宮ハルヒ』で完璧に虜になりました。ハルヒの原作ラノベは僕にとって人生のバイブル。海外留学したときも小さなスーツケースに全巻詰め込んで飛行機に乗りました。大学は情報系を選択。日本でアルゴリズムやプログラムを学びながら、コンピューターサイエンスを深めるためイギリス留学も経験。大学院はオーストラリアへ渡ってUI/UXを中心に学びました。だから就職活動もIT系ばかりでした。運良く志望度の高かった企業から内定をいただけて、一時はほっとしたのですが･･･。卒業まであと数か月というとき、ふと「このまま就職して本当に楽しい人生を送れるだろうか」と思ってしまったんです。
テクノロジーの世界は確かに面白い。けれども、留学先にハルヒ全巻を持って行くほどの自分が、完全にITにシフトした人生を送れるだろうか･･･と。それで、あと少しだけ就活を続けようと思ったのです。エンタメ関連の企業研究をしてみると、KADOKAWAだけが異質に見えました。デジタル関連職を募集していたのです。KADOKAWAがITに力を入れていることを知らなかった僕は驚くと同時に、「ここだ！」と感じました。そして、大好きなコンテンツとずっと頑張ってきたIT、欲ばりにもその両方を手にできるKADOKAWAを選択したのでした。

現在、Webディレクターとしてコミックポータルサイト『ComicWalker』と小説投稿サイト『カクヨム』を担当。既存サイトのUI/UX改善、SEO改善、新機能追加・機能改善や、特設サイト立ち上げなどを担っています。要件定義、企画、設計、デザインディレクションまで仕事はとても幅広い。サイトをどんな方向性で再構築していくかを検討する上流工程はもちろん、自分でワイヤーフレームを切ったり、ベースとなるデザインを起こすこともあります。また、進捗管理や品質コントロールなどのプロジェクトマネージャー的な動きも求められます。多様な経験ができ、吸収できる知識の幅も広いから、Webディレクター/エンジニアとしていち早く成長できる環境だと感じています。
そして何より、“人”が魅力的。部署には新卒社員も増えていますが、IT業界で長年活躍してきた転職者も多く在籍。ドワンゴでソフト系のトップクリエイターだった人、大規模プロジェクトをマネジメントしていた人、大手有名企業で大規模システムを構築していた人など、経験豊富なエキスパート揃いです。実務経験がまだ浅い僕は、先輩たちにアドバイスを求めることも日常茶飯事。すごく助けてもらっていますし、会話をしているだけで勉強になります。どんな分野についても社内に質問・相談できる人がいるのは、すごくありがたいですね。

KADOKAWAでテクノロジーに関わる仕事をする魅力はいくつもありますが、やっぱり一番はコンテンツと繋がっていられること。自分の仕事次第で、大好きなコンテンツがどれだけ盛り上がるか、ファンの人たちがどれだけ満足してくれるかが変わるのですから、力が入ります。
また、今は＜コンテンツ×IT＞という仕事がメインですが、将来的には＜海外＞も掛け合わせた仕事もしていきたいですね。海外事業局や海外支社とコラボしながら、日本のコンテンツを世界中に広めていけたらと思っています。ご存じのように日本のアニメは世界中で普及してきていますが、漫画に関しては日本と比べ、特に欧米には優れたプラットフォームが少ない状況。それが、漫画ファンの増加にブレーキをかけていると僕は感じています。近年新しく誕生したフォーマットのタテスクコミック（Webtoon）が欧米で流行しつつあることを考えても、新しいプラットフォームさえあればもっと“Manga”は世界に普及するはずだし、それこそ僕たちの使命だとも考えるのです。「日本経済の次なる柱と期待されるコンテンツ産業を発展させるのは自分たち！」という気概も胸に、これからもKADOKAWAでの仕事を楽しんでいきでいきたいですね。テクノロジーの力で、日本のコンテンツを世界中の人たちが思いきり楽しんでいる未来をつくっていきます！

※記事内容は、取材当時（2022年11月）のものです。