Ⅰ:教育事業への取り組み

2023年6月更新


教育事業への取り組み

KADOKAWAグループでは、教育事業を通じて、より多くの人々に将来につながる実践的な教育や専門教育を受ける機会を提供するとともに、生徒が多様性を学んだり、地域社会と関わることのできる場を創出しています。



教育コンテンツ・学習サービスの提供

株式会社ドワンゴでは、独自に開発した教育コンテンツや学習サービスを、学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高等学校・S高等学校(N/S高)に提供しています。N/S高の生徒たちは、ネット時代に合わせた双方向型教育学習サービスや、VRによる体感型学習サービスを活用し、高校卒業資格が取得できるカリキュラムをパソコン・スマートフォン・タブレット・VRゴーグルなどのICTツールで日々学習しています。2016年のN高開校以来、生徒数は大幅に増加し、現在はS高(2021年4月開校)と合わせて全国24,642名もの生徒に教育機会を提供しています(2023年3月31日時点)。

N/S高では、好きなときに、好きな場所で効率よく学習できることで、空いた時間を生徒自らが学びたいことに充てられるようになっています。生徒が主体性を大切にしながら総合力を身につけられるよう、学習コンテンツも、大学受験対策、プログラミング、語学などに加え、日本全国で農業・漁業などをリアルに体験するプログラムや留学プログラムなどの課外授業、元プロ選手や専門家からeスポーツや投資・起業を学べる部活などが用意されています。また、LGBTQなどの性的少数者のキャリアやダイバーシティ&インクルージョンをテーマに、有識者をゲストに迎えたトークイベントや、日本マクドナルド株式会社とのサステナブルなトイセットの企画立案、公益財団法人 日本動物愛護協会とのペット問題を啓蒙するハンドブック制作など、日本各地の地方自治体、企業、大学、NPO、専門家の方々と連携し、社会問題などについて解決に向けた企画を提案するプロジェクトなどを通じて、多様性や地域社会への貢献についても学べる場が用意されています。

2022年、N高は、イギリスの教育支援団体「T4 Education」が主催する「World’s Best School Prizes」(世界最高の学校賞)のInnovation(革新)部門において、先進的な教育を行う学校としてトップ3に選出されました。2020年、2021年にもT4 Educationが選ぶ「世界の100校」に選ばれ、3年連続で世界のトップ校として認定されています。




スクール運営事業

株式会社バンタンでは、次世代のIT人材育成を目指す「バンタンテックフォードアカデミー」(2020年4月開校)、動画配信クリエイターなどインフルエンサーを育成する「バンタンクリエイターアカデミー」(2021年4月開校)など、ファッション、グラフィックデザイン、ゲーム、映像事業、パティシエ、カフェ、エンターテインメント領域のクリエイター、インフルエンサーなどに関する15の専門スクールを運営し、幅広い分野で次世代のクリエイターを育成してきました。カリキュラムは各業界の一線で活躍するクリエイターが講師を務め、高等学校卒業資格が取得できる高等部から、社会人・大学生を対象としたキャリアカレッジまで幅広く用意されています。実践力を身につけることを重視し、産学連携プロジェクトも多数実施しています。2024年4月には、マンガやアニメのデジタル領域に特化した「KADOKAWAマンガアカデミー」および「KADOKAWAアニメ・声優アカデミー」を東京、大阪に開校の予定です。

2020年度にはSDGs関連の授業を16件実施したほか、2021年度には大手アパレル企業とのプロジェクトで、性別・年齢・国籍にとらわれないボーダレスファッションをバンタンの生徒が提案、コレクション展示を行いました。また、2022年度にはメニュー考案から運営、集客までを生徒が担当する、ハンバーガー専門店「GENKAI BURGER」の運営、世界一高級なゲイシャ種のコーヒー豆を使った高級フラッペ専門店「GENKAI CAFE」のオープンなど、教育活動を通じた社会課題への取り組みと、実践を重視した特色ある授業運営を行っています。



  • GENKAI BURGER
  • GENKAI CAFE

次世代・地域住民へのラーニング事業

住民や自治体の皆さまと共生し豊かな地域社会の発展に貢献するため、ところざわサクラタウン内の「角川武蔵野ミュージアム」にて、公益財団法人 角川文化振興財団の主催によるワークショップやラーニング事業を展開しています。アーティスト・米谷健+ジュリアの企画によるワークショップでは、子どもたちが武蔵野の絶滅危惧種の動植物を資料をもとに自ら描いた「灯篭流し」を行い、地域の環境保護に対する啓蒙活動を行いました。また、作家・井沢元彦氏による武蔵野歴史論や俳人・星野高士氏による「高浜虚子と武蔵野」についての講義など、多彩な人脈と知識を活かした講座を開催しています。

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