※表紙は現在制作中のため、仮画像です
「竜ちゃんが世間から忘れ去られないように」と、その思いで筆を執りました
本書は、お笑い芸人・上島竜兵さんの妻・光さんによる書き下ろしエッセイです。
2022年5月11日、世間が騒然とした上島竜兵さんの訃報が報道されました。なぜ”竜ちゃん”は死を選んだのか――。亡くなる直前、ちょっと様子が不安定になっていたという上島竜兵さん。家族として一番近くにいて違和感に気づきながらも、助けることができなかった悲しみ、悔しさ、無力感……。自分はあのときどうするべきだったのか。今なお葛藤する心の内を、本書で初めて明かしました。
精神的に苦しい日々が続いていたため、メディアによる取材はこれまで一度も応じることがなかった著者の光さんでしたが、「世間から竜ちゃんがいたこと、忘れられるんじゃないか」という思いから、今回自ら筆を執ることに決めました。
心に沸き上がる竜ちゃんへの「怒り」を赤裸々につづりながらも、どうしても憎めない”竜ちゃん”と過ごした日々を振り返ります。抱腹絶倒の珍エピソード、そしてほろ苦い思い出。脳裏に浮かぶのは、竜ちゃんの小心で自分勝手で、でも人にとことん優しく繊細な実像でした。
また、著者の光さんは竜兵さんが他界された数か月後、体調不良に襲われ乳がんが発覚します。ひとりで挑んだ心細くつらい闘病生活でしたが、親族や友人に支えられながらなんとか乗り越え、今を懸命に生きています。
ときどき涙が止まらない日も、胸が張り裂けそうになり車の中でひとり「ワーーーッ」と叫ぶ日もありますが、竜兵さんのことを伝えたい一心でここまで進んできました。故人を偲びつつ、はじめて明かされる竜兵さんのエピソードやお人柄にまつわる話もたくさん詰まった1冊です。ぜひご一読ください。
「葬儀終了後にマスコミへ発表した、私のコメントの中の「竜ちゃんのことを忘れないで下さい」という文面は、作家の永六輔さんの言葉に感銘を受けた竜ちゃんが、生前、よく口にしていたことに由来します。
『人間は二度死にます。まず死んだとき。それから忘れられたとき』
『人は、忘れられたときが本当の死だ』と、竜ちゃんは常々言っていました。
でも、皆さんに竜ちゃんのことを忘れないでと言っている私なのに、現実が辛過ぎて、竜ちゃんの記憶を頭の中から消してしまうかもしれないという恐怖がありました。
前向きな今日と後向きの昨日が繰り返す、悲しみと、とまどいの日々の中、私がどうやって今日まで過ごしてきたか。そして、自分勝手だけどキュートで繊細だった、私の大切な旦那様の話を、記憶が無くならないよう、忘れられないよう、思い出をかみしめながら書き記しておこうと思います」
(本書『はじめに』より部分抜粋)【目次】
第1章 涙と笑いに包まれた葬儀
第2章 出会いと結婚、別れの日
第3章 夫婦の日々と志村けんさん
第4章 芸人仲間に支えられた「竜ちゃん」
第5章 「竜ちゃん」の後始末
第6章 終わりなき悲しみの向こう側へ
【書誌情報】
『竜ちゃんのばかやろう』
著者:上島光
定価:1,650円(本体1,500円+税)
判型:四六判
頁数:184ページ
発売日:2023年8月10日(木)
ISBN:978-4-04-113859-5
発行:株式会社KADOKAWA
KADOKAWAオフィシャル 書誌詳細ページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322303000746/
Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4041138590【著者プロフィール】
上島光(うえしま ひかる)
1970年10月6日生まれ。女性ものまねタレント。高校時代から芸能界を志し、1988年、フジテレビ系の「発表日本ものまね大賞」で優勝し、芸能界入り。1994年に上島竜兵と結婚し、結婚後は一時主婦業に専念するが、その後ものまね番組や情報番組のリポーター等で活動。芸名は広川ひかる。