近年、考古学による新たな発掘で木簡などの出土文字史料や、考古学的遺物に基づく宮都や地域研究が目覚ましく発展しました。新聞を飾る考古学上の新発見も相つぎ、研究者はいうまでもなく、歴史愛好家の関心を集めています。
本シリーズでは、最新の研究成果を反映させるとともに、一般の読者に地域の歴史をわかりやすく解き明かします。
シリーズ全6巻
- 巨大な前方後円墳が集まる政治・文化の発信地。その知られざる実態に迫る
完結巻『機内と近国』
ヤマト王権以来、歴代遷宮を行いながら、ほとんどの都が畿内に置かれた。世界遺産の古市古墳群・百舌烏古墳群をはじめ、日本最大規模の前方後円墳が集中して造られ、飛鳥寺・東大寺など多くの寺院が建立された仏教の中心地でもあった。製塩・玉作り・紡織ほか専業的拠点で営まれた手工業生産、律令制国家の情報伝達を担った駅伝制、平城京跡出土木簡が示す文字文化など、畿内の多彩な側面を発掘成果や文献史料を駆使して明らかにする。
1章 王宮・都と京・畿内制 吉村武彦
2章 王権と手工業生産 中久保辰夫
3章 大和・河内の前方後円墳群 下垣仁志
4章 畿内の駅家と駅路 市大樹
5章 東大寺と国分寺 吉川真司
6章 文字文化の拡がり 寺崎保広
ESSAY 宮滝で笠金村の歌に思いを馳せる 上野 誠
吉村武彦(よしむら・たけひこ)
1945年生。明治大学名誉教授。日本古代史。『日本古代の社会と国家』(岩波書店)、『日本古代の政事と社会』(塙書房)、『大化改新を考える』(岩波新書)、『新版 古代天皇の誕生』(角川ソフィア文庫)など。
川尻秋生(かわじり・あきお)
1961年生。早稲田大学文学学術院教授。日本古代史。『古代東国史の基礎的研究』(塙書房)、『日本古代の格と資財帳』(吉川弘文館)、『平安京遷都』(岩波新書)、『坂東の成立』(吉川弘文館)など。
松木武彦(まつぎ・たけひこ)
1961年生。国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授。日本考古学。『古墳とはなにか―認知考古学からみる古代』(角川選書)、『人はなぜ戦うのか―考古学からみた戦争』(中公文庫)、『全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記』(小学館)、『美の考古学』(新潮選書)など。
書名: 畿内と近国
定価: 2,530円(本体2,300円+税)
発売日:2023年1月25日(水) ※電子書籍同日配信
形態:角川選書(四六判並製)、272頁
ISBN:9784047036970
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000006/https://www.amazon.co.jp/dp/4047036978
現在の文化・宗教事情にも影響する日本史の「青春時代」の足跡をたどる。
書名: 東アジアと日本
定価: 2,420円(本体2,200円+税)
ISBN:9784047036963
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000005/https://www.amazon.co.jp/dp/404703696X
蝦夷の墳墓はどんな形か。古代のアイヌ文化とは? 豊かな蝦夷の世界を、多方面から解明する。
書名: 陸奥と渡島
定価: 2,530円(本体2,300円+税)
ISBN:9784047036949
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000003/https://www.amazon.co.jp/dp/4047036943
ヤマト王権にとって異国に匹敵する重要地域。斬新な切り口で古代東国地域の実像に迫る。
書名: 東国と信越
定価: 2,530円(本体2,300円+税)
ISBN:9784047036956
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000004/https://www.amazon.co.jp/dp/4047036951
大陸への窓口・九州と近畿とをつなぐ、人や文物、情報が往来する回廊の姿を浮き彫りにする。
書名: 出雲・吉備・伊予
定価:2,530円(本体2,300円+税)
ISBN:9784047036987
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000007/https://www.amazon.co.jp/dp/4047036986
海外の文物がもたらされる最初の場所で日本列島の先進地域。豊かな地域の全貌を明らかにする。
書名: 筑紫と南島
定価: 2,420円(本体2,200円+税)
ISBN: 9784047036994
https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000008/https://www.amazon.co.jp/dp/4047036994