本展示をプロデュースされたウサギノネドコ代表の吉村紘一さん
荒俣ワンダー秘宝館特集展示の第3弾となる「不自然(マンメイド)な植物展」は、植物の驚くべき神秘と生命力に感化されて制作された植物アートの集合展となっています。本展のプロデュースを務められ、作家としても参加されたたウサギノネドコ代表の吉村紘一さんが選んだ7名のアーティストの作品が展示されています。内覧会当日は、吉村さんが自ら、各作品を解説しながら紹介しました。
- ウサギノネドコ代表兼クリエイティブディレクター 吉村紘一さん コメント
今回は、植物にさまざまなアプローチで関わり、作品として昇華しているアーティストを選びました。
非常に閉塞感のある現在のこの状況ですが、展示を通して、植物の持っている驚き、美しさ、神秘、そういったものを感じて頂きたい。都会に住んでいても実は植物は至る所にあります。そうしたものに目を向けたり、そこに美や驚きを感じてもらえるきっかけになる展示になればいいなと思います。
――自然なものとはどういうものか?
生命が生まれて38億年と言われていますが、ひとつは究極の機能美であると感じます。生き抜くためだけにそぎ落とされた造形、というのが自然の持っている美しさだと思いますし、絶えずそれが変化しているということも自然の魅力だと感じます。
また、同展と同時開催企画として、荒俣ワンダー秘宝館「半信半疑の地獄」エリアにて展示中の、葉っぱアーティスト・環境マンガ家の本田亮さんによる「葉っぱでアート」や、荒俣宏さん監修の新たな常設展示「荒俣ワンダーホログラム 神もダーウィンもないシン・宇宙史」がお披露目されました。
同時開催企画:【本田亮 葉っぱでアート】
「半信半疑の地獄」エリアでは、葉っぱアーティスト・本田亮さんによる展示も同時開催中。葉っぱを絵具にして描いた、動物や鳥、昆虫、魚などの絵が展示されています。四季折々の葉っぱを用いて作られたいきものを通して、自然の豊かさや魅力を感じ、楽しみながら考える機会となるでしょう。会期中にワークショップの開催も予定しています。
常設展示新コンテンツ:【荒俣ワンダーホログラム 神もダーウィンもないシン・宇宙史】
荒俣宏さん監修・ナレーションの進化論についての映像です。第一話では、ビッグバンから地球誕生までが描かれており、今後、生命の進化などの新しい内容が追加になる予定です。
【概要】
荒俣版進化論の主旨は、偶然性です。ダーウィンの進化論は「最も環境に適するものが生き残る」と論じていますが、1980年代にカナダで発見された化石群はその説を覆したとされています。カナダの化石群にあった生き物は、当時の地球で大繁栄し、一見、当時の環境に適していたかに見えますが、実は全て絶滅しています。そこで、アメリカの生物学者スティーヴン・ジェイ・グールドは「偶然性における進化論」を提唱しました。しかしながら、ダーウィンの進化論は生物だけではなく、社会学や政治学などにも応用されており、様々な場面で都合の良い理論となっているため、「偶然性における進化論」は強い反発を呼び、いまだに論争を巻き起こしています。
荒俣ワンダー秘宝館は、そうした“賛否両論”という点が展示の意図に合うと考え、「偶然性における進化論」を取り上げることにしました。今回は、地球誕生までのストーリー、月の誕生や海の出現などの“偶然”に重点を置いています。
この、「偶然性における進化論」を提唱した本「ワンダフルライフ」は、当館4Fブックストリートでもお読みいただけます。
角川武蔵野ミュージアム学芸員による【本田亮 葉っぱでアート】の解説風景
角川武蔵野ミュージアム学芸員による【荒俣ワンダーホログラム 神もダーウィンもないシン・宇宙史】の解説風景
【展覧会タイトル】: 「不自然(マンメイド)な植物展」
【会期・会場】 : 2022年1月22日(土)~7月31日(日)
角川武蔵野ミュージアム4F 荒俣ワンダー秘宝館
【主催】 : 角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人角川文化振興財団)
【協力】 : 荒俣宏(監修) ウサギノネドコ(プロデュース)
【公式サイト】 :
https://kadcul.com/event/66
【オンライン購入価格(税込)】
大人(大学生以上):1,200円/中高生:1,000円/小学生:800円/未就学児:無料
【当日窓口購入価格(税込)】
大人(大学生以上):1,400円/中高生:1,200円/小学生:1,000円/未就学児:無料