「いつか自分の店を持ちたい」。そう思う人は多いはず。しかし、コロナ禍でお店をつくり、キープしていくことは、とても難しいことになってしまいました。
ですが昔に比べ、お店を作るハードルは着実に下がっています。たとえば、オンラインショップなら初期投資なしで開けるサイトもたくさんあります。また、実店舗を地方で開き、オンラインショップと併売すれば、初期費用はぐっと抑えられま す。つまり、どれだけ知恵があるかが大事になってくるのです。
本書では、自分が好きなものを売って暮らしている、14の人気店の店主を取材。お店で扱う商品は生活雑貨や、古書、古道具、アーティストグッズ、家具などさまざまで、お店の場所や形態も、都心にある店や地方の店、オンラインショップなど、それぞれ異なります。
お金のこと、仕入れのこと、宣伝はどうしている? など、うまくいっているお店は、何がちがうのかを取材から導き出し、小さな商売を長く続けられるコツをまとめました。
また、本書では、コロナ禍でそれらのお店がどう対応していたのかも取材しており、長く経営しているとふいに訪れるピンチをどう乗り切るかのヒントも、たくさん盛り込んでいます。
金沢にある生活雑貨店「ベンリーズアンドジョブ」。店主の一押しコーナーを作ることで、その店の個性が出る、と話してくれた。
大阪の「チャルカ」は東欧雑貨に特化した店。物価が安いが質が不安定な東欧雑貨を「味がある」ととらえて主力商品に。
東京の「サブロ」は文房具店。他では手に入らない文房具を揃えているほか、オリジナル商品の開発も行なっている。
家具と生活雑貨の店「巣巣」は東京から富山に移転。家賃や倉庫代などのランニングコストを抑えながら無理せず営業できるようになった。
東京の「ギャラリー・ドゥ・ディマンシュ」はアーティストグッズを扱う店。アーティストのエージェント、出版社としての顔も持つ。
【本書概要】
●判型/ページ数 四六判/304ページ
●定価 1,980円(本体1,800円+税)
●ISBN 978-4-04-897129-4
●発行 株式会社KADOKAWA
●KADOKAWAオフィシャルサイト 書誌詳細ページ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322106000847/著者プロフィール
碓井美樹(うすい・みき)
編集者、記者。成城大学文芸学部英文学科卒業後、出版社に勤務し、雑誌編集長を経て渡米、サンフランシスコに約3年滞在後、東京を拠点に戻しつつ、定期的に往来。
主な経歴は、『雑貨カタログ』編集長、「COOK ZAKKA BOOK」編集長、Chronicle Books Japanエディトリアルディレクター、「 TOKYO ARTRIP」エディトリアルディレクターなど。雑貨、デザインにまつわる著書多数。日本ペンクラブ会員。