左よりボッカルディ駐日バチカン大使、スタラーチェ駐日イタリア大使、椎名専務理事
- 2022年バチカンと日本の国交樹立80周年に向け各事業を再開!
450年以上にもわたる長き交流期間を通して、バチカン市国(教皇庁)には宣教師が書き送った文書や近代の外交関係資料など日本に関する数多くの文献が収められてきました。しかしいまだ十分な包括的な調査は行われておらず、研究の光が当てられていない史料も数多く存在します。両国の今後のさらなる友好に寄与することを願い、教皇庁文化評議会(Pontificium Consilium de Cultura)の後援のもと、協賛各社のご支援をいただき、バチカン図書館やバチカン文書館などに存在する日本関係文書の調査研究活動を中心とする「バチカンと日本 100年プロジェクト」を、38年ぶりとなる2019年11月のローマ教皇の来日を契機としてスタートさせました。
しかしながら、その後の2020年以降コロナ禍による世界的なパンデミックにより、長くそのプロジェクト活動が延期や中断を余儀なくされておりました。
奇しくも来年2022年は、1942年に両国の国交が樹立してより80年。ジョルジョ・スタラーチェ(イタリア駐日大使)、レオ・ボッカルディ(バチカン駐日大使)、椎名保(角川文化振興財団専務理事)らは9月22日(水)にイタリア大使館にて行われた会合にて、本プロジェクトの再開にあたって、全面的に協力連携し合っていくことを確認。同日スタートしたクラウドファンディングにも協力していくことが話し合われました。
●公式ウェブサイト:https://vj100.jp/
- バチカン駐日大使 レオ・ボッカルディ 氏 コメント
レオ・ボッカルディ 駐日バチカン大使
今回のプロジェクトを通して皆様とお会いできて非常に嬉しく思います。日本の前には、イランに駐在していました。これから、イランとはまったく違う日本の文化と出会い、新たな章が始まります。
イランには6年、その前のスーダンには8年間おりました。その時ミドルイースト(中東)のムスリム文化(イスラム文化)を深く学びました。
そして、伝統のある素晴らしい文化をもったミドルイーストから、今度はファーイースト(極東)の日本に来て、文化の宝を発見することを期待しています。
私は歴史の専門家として大学時代にバチカン文書館で歴史と美術を半年間学びました。東京に来て初めて出会ったのが「バチカンと日本 100年プロジェクト」でした。文化人としてこのプロジェクトに感動し、すぐに関心を持ちました。非常に嬉しく思い、積極的に進めていきたいと思っています。日本とは深い文化交流ができるのではないかと期待しているのです。
角川財団とのバチカンプロジェクトはこれから何年も続いていきます。教会や大司教としての仕事もありますが、外交、政治、文化に心を集中していきたいと思っています。
この「バチカンと日本 100年プロジェクト」は、スタートしてすでに2年以上になります。本来なら様々なイベントが昨年行われることになっていましたが、このコロナ禍で延期になりました。
来春には、シンポジウムやカラヴァッジョの展覧会などのイベント再開が予定されております。その際にバチカン美術館の方々を日本にご招待したいと思っております。その上でバチカンと日本の文化交流をさらに進めていきたいと思います。
日本からの研究者は、今はこのコロナ禍でバチカンに行くことができませんが、来年には再び調査研究のためにバチカンを訪れることになるでしょう。その調査研究の成果は、東京や長崎にてシンポジウムという形で発表しようと考えております。
またこういったビッグプロジェクトには資金が必要になってきますので、本日よりクラウドファンディングも立ち上げました。バチカン大使からは、それに対する大変篤いメッセージもいただき、感謝しております。さらにこのクラウドファンディングを通じて、多くの方々に、このプロジェクトを伝えていくことができればと思っています。
- バチカン・イタリア文化の研究者、第一人者からの熱いメッセージの数々
●レオ・ボッカルディ 氏 (駐日バチカン大使館 大使)
日本とバチカンには、長く豊かな歴史があります。
国交が結ばれたのは1942年、日本はバチカンに大使館を開設した最初のアジアの国です。
「バチカンと日本100年プロジェクト」は、角川文化振興財団が朝日新聞社と共同で立ち上げたもので、バチカンに保存されている膨大な歴史的遺産のアーカイブを研究・出版するという大変重要なプロジェクトです。
学者や専門家、またすべての歴史愛好家に役立つ資料を提供する、これは日本とバチカンの間の文化交流を ますます深めることになるでしょう。
東京と長崎でのシンポジウムの開催、そして“La Civiltà Cattolica”日本版やその他の出版物の発 行、 さらに「キリストの埋葬」の美術展など、歴史と文化と美術という多角的な視点からその枠組みが整えられています。
このような重要なプロジェクトを支えるクラウドファンディングキャンペーンは、日本の奥深い歴史や 美術を理解するすべての人たちに、情熱あふれる応援をいただけると、私は確信しております。
芸術や美術がこんにちに提供している役割は明らかであり、こういった重要な意味を持つ歴史的文化遺産を理解し、知識を持つことは、すべての市民の権利なのです。
●ジョルジョ・スタラーチェ 氏 (駐日イタリア大使館 大使)
バチカンと日本が450年以上にわたって育んできた文化交流を解明し、 イタリアと日本の交流にとって、最も重要な関係とつながりの大きな遺産を生み出すこのプロジェクトを私は、心から支持します。できるだけ多くの方々にこのプロジェクトを支援していただき、 日伊の文化的関係がさらに深まることを願っています。
●青柳正規 氏 (代表・多摩美術大学理事長、橿原考古学研究所長、東京藝術大学特任教授、東京大学名誉教授)
このプロジェクトの研究成果が、混迷を極める今の時代において、バチカンと日本の未来に向けた文化交流の発展に寄与するだけでなく、あらゆるグローバルな文化交流に大きな希望の光明をもたらすことを心より期待しています。そして、このプロジェクトがひとりでも多くの人々と一緒に実現できることを祈念しています。
●川村信三 氏 (研究代表・上智大学教授)
角川文化進化財団、およびバチカン図書館と文書館の全面的な協力の下、貴重な研究の場をあたえられています。これまでの個人的に限られた範囲でしか実現しなかったバチカン蔵書と在庫の調査が、その深層まで可能となりつつあります。これまで、1620年に日本の信徒が教皇に送った『奉答書』や、天正遣欧使節の文書の紙質科学調査などが許可されました。バチカンを訪れる度に新たな発見が付け加わる感動をいただいています。
●シルヴィオ・ヴィータ 氏 (京都外国語大学教授、イタリア東方学研究所研究企画代表)
このプロジェクトでは、前例のない精密な調査で日本とバチカンを結ぶ長い歴史に光を当てながら隠れた事実を探ります。あっと驚くような歴史ロマンが明らかになるかもしれません。是非、一緒にその扉を開く旅に出発しましょう。
- 2021年9月22日~2022年1月19日 クラウドファンディングを展開
バチカン図書館やバチカン文書館には未解明の日本関係資料が数多く残されています。これまでの交流の歴史を解き明かすだけでなく、100年先の未来を見据えた友好関係の礎を築くためにも、ロマンあふれる研究を継続し、新たな歴史発見の目撃者となる文化交流パートナーをクラウドファンディングとして募集します。
クラウドファンディングの詳細は→ https://vj100.jp/cf/
A-port募集サイト→https://a-port.asahi.com/projects/vatican100/
公式ツイッター(https://twitter.com/cf_vj100)
公式Facebook(https://business.facebook.com/vj100.jp/)
文化交流パートナー、絶賛受付中!!
- 「バチカンと日本 100年プロジェクト」の今後の主な活動(予定)
「バチカンと日本 100年プロジェクト」 公開シンポジウム
東京会場
日時:2021年11月13日(土)
会場:上智大学 ソフィアタワー(6号館) 〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
主催:角川文化振興財団
共催:朝日新聞社、上智大学
後援:後援:長崎県、長崎市、大村市、五島市
助成:文化庁/独立行政法人日本芸術文化振興会
令和3年度日本博イノベーション型プロジェクト
長崎会場
日時:2022年4月10日(日)
会場:長崎ブリックホール 〒852-8104 長崎市茂里町2-38
主催:角川文化振興財団
共催:朝日新聞社
後援:長崎県、長崎市、大村市、五島市
その他の各事業イベントも進捗があり次第、発表していきます。
詳細は公式サイト→vj100.jp/
「バチカンと日本 100年プロジェクト」
●主催 公益財団法人 角川文化振興財団
●共催 朝日新聞社
●協賛 NTTデータ、凸版印刷、みずほ銀行、KADOKAWA
●後援 教皇庁文化評議会、カトリック中央協議会、イタリア大使館、イタリア文化会館
長崎県、長崎市、大村市、五島市