サステナビリティへの取り組み

「テクノロジーを駆使して 個々の生徒の可能性に向き合う未来の学校」のタイトル画像(2019年度の卒業式の様子)
KADOKAWAグループのサステナビリティに向けた取り組み

テクノロジーを駆使して
個々の生徒の可能性に向き合う未来の学校

※タイトル画像は2019年度の卒業式

サマリー

  • インターネットやICTツールを活用した通信制の高等学校として、N高は2016年にスタートし、S高(2019年開校)、R高(2025年開校)と合わせ、生徒数3万名を超える学校として成長している
  • たくさんのカリキュラムによって、やりたいことが見つかる、そしてやりたいことにより時間を使える学校として、多くの生徒に選ばれている
  • 地元の町おこしに取り組んだり、アパレルブランドを立ち上げたりするなど、多様な取り組みにチャレンジする生徒が増えており、学校側もさまざまな取り組みで生徒たちの主体性を伸ばすサポートをしている

学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高グループ(N高等学校・S高等学校・R高等学校)は、ドワンゴが独自に開発した双方向の教育・学習サービスや、VRによる体感型学習サービスを活用したネットの高校です。ネットの高校は、これまでのリアルな高校とはどう違うのでしょうか。そして、N高グループの目指す未来の学びの姿とは、どういったものなのでしょうか?

2016年4月に沖縄県うるま市に開校したN高等学校(学校法人角川ドワンゴ学園)は、パソコン・スマートフォン・タブレットを使い、SlackやGoogle WorkspaceといったIT企業などで使われている最先端のデジタルツールを活用しながら、自分のペースで勉強できる単位制・通信制(広域通信制)の高等学校です。学校教育法第一条に定められた高等学校であり、全日制と同じ「高校卒業資格」を取得することが可能で、日々の学習がネットでできるため、日本全国だけでなく海外にいながら学習することもできます。

N高グループでは、すべての人が平等に教育を受けられる環境を充実させるとともに、ネットとリアルを組み合わせた”質の高い教育”の提供に取り組んでいます。今のインターネット社会に対応した新しい教育を展開し、高校卒業の単位を取得するための必修授業以外に、大学受験対策やプログラミング・Webデザイン、職業体験、留学といった多様な課外授業が用意されています。

このため、生徒は自分の好きなことを好きなだけ学習することができ、受験に集中したい、より専門的な分野を学びたい、起業しながら学びたいなどといった多様な理由から、積極的にN高を選ぶ生徒が増えています。その結果、開校当初は約1,500名だった生徒数は、N高グループ全体で3万名を超えるまでに拡大しています(2025年3月31日時点)。

棒グラフ:N高グループ生徒数推移(2016年5月:1,570、2017年5月:3,881、2018年5月:6,592、2019年5月:10,367、2020年5月:14,869、2021年5月:19,732、2022年5月:22,166、2023年5月:24,862、2024年5月:28,942、2025年5月:32,613(2025年3月31日時点))

「IT×グローバル社会を生き抜く“総合力”を身につけて、世界で活躍する人材を育成するという理念のもとで、今のインターネット社会に対応した新しい、多様な教育を目指しています」(学校法人角川ドワンゴ学園 広報)

地図:キャンパス所在地

全国100箇所にキャンパスを展開している通学コースおよびオンライン通学コースでは、さまざまな企業や官公庁と連携し、社会課題の解決に生徒が取り組む課題解決型プロジェクト学習「プロジェクトN」を展開しています。これまで、株式会社バンダイナムコエンターテインメントや株式会社アサヒ飲料、株式会社タカラトミーなどをはじめ、200以上のプロジェクトを企業や団体と協働して実社会の課題に取り組んできました。

「プロジェクトによってケースバイケースですが、通常は5~6人でチームをつくり、ひとつのトピックに対して1~3か月かけて、具体的なアウトプットをつくり発表します。“プロジェクトN”を通じ、自分自身で問題を発見して、解決方法を考え、人に伝える力が身についていきます」(学校法人角川ドワンゴ学園 広報)

写真:酪農体験(左)の様子、伝統芸能エイサーの鑑賞・実演(右)の様子
酪農体験(左)や沖縄・伊計島でのスクーリングに際しての、伝統芸能エイサーの鑑賞・実演(右)など、リアルでの多様な体験を得ることも可能だ。

N高グループではネットの高校の利点を活かし、自由になった時間を使い多くの経験を得られる「課外活動」も盛んにおこなわれています。学習システム「ZEN Study」を用いて、大学受験に向けた講義や、プログラミング、Webデザイン、小説や動画制作など創作にまつわる授業など多岐にわたる分野を学習することができます。仲間と一緒に活動する課外活動では、ネット部活(投資部、起業部、政治部、eスポーツ部、ダンス部、美術部、研究部など)や同好会、職業体験・ワークショップ、留学などのプログラムも用意しており、体験や交流を通じた教養を養う機会が用意されています。

2019年4月には、中学生を対象にしたN中等部も開設されました。学校教育法第一条に定められた中学校ではありませんが、N高グループの教育コンテンツを活用した新しいコンセプトの「プログレッシブスクール」です。N高グループとも連携し、生徒一人ひとりの夢の実現のため“12歳からの進路設計”を支援する仕組みを強化しています。

N高グループは卒業後の高い進路決定率も特長で、2024年度の進路実績では、全体の進路決定率が95.04%となりました。大学受験のサポートプログラムにも力を入れており、2024年度は東京大学に7名が合格したほか、国公立大学に189名、旧帝大(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)に23名、医学部医学科に14名、東京芸大に4名、早稲田・慶應に82名、GMARCH(明治大学、青山学院大学、中央大学、立教大学、法政大学、学習院大学)に264名、関関同立近(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学・近畿大学)に556名が合格しました。東京大学に合格した生徒のうち、5名は新入学から3年間N高グループで学んだ生徒で、さらにその中の1名はN中等部およびN高グループで合計6年間学んだ生徒です。

N高グループの2024年度入試 大学合格実績(※2025年4月30日時点(学園集計))

海外大学の合格者数も年々伸びており、2024年度の海外大学の合格者数は203名となり、The University of Chicago(シカゴ大学)、University of Michigan(ミシガン大学)、The University of Manchester(マンチェスター大学)、The University of British Columbia(ブリティッシュコロンビア大学)、King’s College London(キングス・カレッジ・ロンドン)、The University of Melbourne(メルボルン大学)など、「THE世界大学ランキング※」100位以内の大学の合格者数も43名となりました。
※イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」より発表されるランキング

「多くの生徒は、学園でのいろいろな学びや取り組みをするなかで、少しずつ自分のやりたいことを見つけていきます。さまざまなことにチャレンジするのも、何かに集中して極めるのも、どちらもできるのがN高グループの良さのひとつだと考えています」(学校法人角川ドワンゴ学園 広報)

目標とするゴール

4.質の高い教育をみんなに、5.ジェンダー平等を実現しよう、10.人や国の不平等をなくそう