限りある資源をどう効率的に利用していくのかはKADOKAWAグループにとって重要な課題です。従来の事業プロセスの改善を通じて、廃棄物の削減にもつなげています。
需要に見合った適切な製造計画をたてることで、書店に送品した書籍のうち購入につながらなかった書籍、いわゆる返品の部数を減らし、関係者と協力をしながら紙の余剰消費の削減につなげています。さらに書店からの受発注の電子化など、テクノロジーも活用し需要量を適確に把握するよう努めています。同システムの本格導入以前(2018年度)との対比で、2021年度の対生産純出荷率が74.4%から75.7%に改善。部数にして194万部、紙資源にして772トンの余剰消費を削減しました。
今後は、書店に対して返品減に応じたインセンティブを提示する取り組みを開始するなど、幅広い方策を通じて返品の削減と紙資源の有効利用に努めていきます。
一部編集部においてタブレット端末を導入し、取引先(印刷会社)や社内関係部署とのルール整備を進め、コミック雑誌や一部書籍のPDFでの校正・校了を可能にしました。結果、編集部の校正作業において紙に印刷し確認するという作業が減少し、編集工数や校正紙の削減につながっています。校正紙を印刷し確認する従来の校正方法をPDFに転換することで、2021年度実績では、導入前であれば紙で出力していた分量にあたるA3サイズ10万枚程度を削減しております。
2015年以降進めてきたオフィスの働き方改革に伴い、紙の出力最適化プロジェクトを実施し、印刷やコピー用紙の削減に取り組んできました。2018年からはオフィスのフリーアドレス化と並行して、これまで使用してきた紙資料のデジタル化を推進。2019年には電子決済・電子承認のシステムを導入しました。結果、KADOKAWAにおいて社内消費する紙資源量を3,000万枚(2014年度)から690万枚(2021年度)へと77%削減しました。
東京キャンパス | ところざわサクラタウン | 2021年度合計 | ||||
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発生量 | 発生量のうち再利用 (リサイクル)の割合 |
発生量 | 発生量のうち再利用 (リサイクル)の割合 |
発生量 | 発生量のうち再利用 (リサイクル)の割合 |
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可燃物 (紙類、段ボール、生ごみなど) |
110.6 t | 73.4 % | 59.4 t | 34.8 % | 170 t | 59.9 % |
不燃・焼却不適物 (飲料用びん・缶類、ペットボトル、廃プラスチックなど) |
65.5 t | 100 % | 13.1 t | 100 % | 78.6 t | 100 % |
※集計対象範囲
・ 東京キャンパスは、自社所有ビルである角川第1本社ビル、角川第2本社ビル、KADOKAWA富士見ビルからの廃棄物。
・ ところざわサクラタウンは、所沢キャンパスを含む、グループ会社使用施設からの廃棄物。テナント排出分を除く。