Ⅲ:原材料調達への取り組み

原材料調達への取り組み


KADOKAWAグループ(KADOKAWAおよび国内子会社、以下同)は、持続可能な社会の実現に貢献するため、紙書籍の生産に係る原材料調達において環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。



原材料調達における方針


当社グループは、環境負荷に配慮するとともに、安定的な原材料調達とサプライヤーとの公正な取引を通じた持続可能なサプライチェーンの構築を推進していきます。


●環境負荷に配慮した安定的な原材料の調達


社会や環境への影響を考慮し、日本製紙連合会が公式に発表しているものと同等の、持続可能な森林管理や環境保護に配慮した厳しい基準で生産された印刷用紙を調達しています。加えて、特に文庫やコミックスなど原材料の使用量が多い書籍ジャンルに関しては、BCP(事業継続計画)の観点から、同一スペックの原材料を複数のサプライヤーから調達することで、安定的な調達体制を確立しています。


●公正な取引の実行


国内外の法令や社会規範を遵守し、公正かつ透明性の高い取引を実行しています。また、定期的な製紙工場への訪問や環境配慮に関する助言等、緊密な連携を通じてサプライヤーとの信頼関係を深め、共に持続可能な事業運営を目指すパートナーシップを築いています。



目標


上記方針に基づき、以下の目標を設定します。


●製紙工場への定期訪問


サプライヤーへの定期訪問を通じて、今後も各サプライヤーにおけるESG対応の把握に努め、助言や提案を実施します。


●印刷用紙の共同開発


環境に配慮した素材の利用、生産工程における環境負荷低減を目指した技術開発に取り組み、印刷用紙の共同開発を進めます。


●環境負荷に配慮した原材料使用に向けた提案


製紙工場や紙銘柄の規格等の情報をサプライヤーと連携し、紙銘柄のラインナップに対して、より環境負荷の少ないものへの変更等の助言や提案を行います。


●書籍のデジタル製造工場における取り扱いジャンル拡大に応じた調達の協力体制


当社グループでは、書籍の需要に対する供給を最適化するため、コスト効率性を維持しながら小刻みな重版や突発的な需要などに対応する、少部数での製造が可能なデジタル製造工場を保有しています。これにより、出版業界全体の課題でもある返品率の低減と原材料の余剰消費削減を推進しています。この製造工場で生産できる書籍ジャンルの拡大に対応した原材料調達のため、幅広いサプライヤーとの協力体制を築いていきます。


●原材料のトレーサビリティ


当社グループが購入する印刷用紙は銘柄(製品)単位で管理されており、サプライヤーの協力のもと各銘柄の製造工場および抄紙機までのトレーサビリティを確保しています。今後も原材料調達プロセスの各段階における適切な情報収集・情報管理に努めていきます。