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TAIHEI ITO
伊藤泰平
文芸編集者
PROFILE:幼少時代から本に囲まれて生きてきた。入社後は、アーカイブ編集室・編集者として奔走中。文庫の新作発刊に加え、KADOKAWAがアーカイブする過去の名作の数々を活性化する業務にも尽力中。
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MANA KAKIMOTO
久木元真奈
ライツ(海外)
PROFILE:本と映画が大好きで、なかでもクラシック作品に心惹かれてきた。学生時代には、インディーズ映画製作にも熱中。現在はライツ部門にて、海外向けにIPを広め、届ける仕事をしている。
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RYUKO KODA
河田龍昂
営業(コミック領域)
PROFILE:漫画を読み漁る幼少時代を経て、高専時代には深夜アニメにどハマり。そのままコンテンツ業界への就職を志した。営業部門にて『月刊コンプエース』、『コンプティーク』の販売促進を担当中。
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RIKA MATSUZAKI
松崎りか
コミック編集者
(月刊コミックジーン編集部)PROFILE:「衣食住のように生活に不可欠なわけではないのに、人生を変えることもある」。そんなコンテンツの魅力に取り憑かれ、編集者の道を選択。コミック編集者として奔走する日々を送っている。ただし朝は苦手。
Q.1
どんな想いを抱いてKADOKAWAへ?
KADOKAWAを選んだ理由は?
伊藤:僕は子どもの頃から本の虫だったので、就職も出版に関わる仕事がしたいと思っていました。でも、門戸は狭いだろうといろんな業界を受けましたね。銀行からも内定をいただいて友人から「すごいじゃん!」と言われていたのですが、迷った末に、最後は「自分が本当に好きなことを選ぼう」とKADOKAWAに決めました。
河田:僕は高専時代に深夜アニメにハマっていて。観るだけでは飽き足らず、アニソンDJライブや好きなアニメプレゼン大会といった企画を立てて、オフ会を楽しんでいました。みんなでワイワイ、楽しさを共有することがすごく面白かったんです。そんなときに、KADOKAWAが高専卒採用を行っていると知って、「これは応募しなくては!」と思いました。高専卒で応募資格が得られる会社は、この業界では少なかったから、僕にとっては唯一無二のチャンスでしたね。
久木元:私は大学でフランス文学を専攻していたので、フランス留学をしました。そこで驚きの光景をいくつも見たんです。本屋さんに行くと入り口付近の目立つ棚に日本のコミックコーナーがあり、JapanExpoという海外版のコミケのようなイベントはコスプレをしたファンの人で溢れていて、ものすごい熱気を感じたんですね。今思えばそれが、日本のコンテンツを世界に広める仕事っていいなと思った最初のきっかけだったかもしれません。
松崎:私は、両親が漫画に関わる仕事をしていたので、物心ついたときから漫画に埋もれて生活してきました。だから早いうちから、編集者になりたいと思っていました。就活では、コンテンツ・出版業界から内定をいくつかいただけたのですが、最終的にKADOKAWAに決めたのは働く環境がすごく新しかったから。フレックス制度だし、コロナ以前からリモートワークが導入されていて、デジタルツールも社員のみなさんが普通に活用していた。働きやすさで選ぶと、KADOKAWA一択だったかなと思っています。
Q.2 選考中、印象に残っていることは?
河田:ある面接の中で「河田君は、『らき☆すた』が好きなんだね。『らき☆すた』の魅力を5分間でプレゼンしてみて?」と言われたことがあって。ありったけの『らき☆すた』愛を5分間語り続けたことがあったんです。でも好き勝手に自分の想いをしゃべっただけだったので、面接後に「これでよかったのかなぁ」ってモヤモヤしていたら、後日合格通知が。それで思ったのは、誰にも負けない“好き”があること、その“好き”をしっかり伝えられることが、KADOKAWAでは大事なんだなっていうことでしたね。
久木元:面接官はみんな、すごく素の人が多かった。河田君みたいに私も面接で好きな映画の話をしたんですが、皆さんから「私もそれ好きなんだよ」、「僕も観たよ」、「わかる!」みたいな返事が返ってきて。まるで年上の先輩とコンテンツ談義をしているような感覚でした。「第一志望の理由は?」「ガクチカは?」というような形式張った質問はほとんどなかったかも。
松崎:そうそう、だから自分も素になれるんだよね。確かに面接だから緊張はするんだけど、すごく話しやすかったのを覚えてる。ものすごい威厳がありそうだぁ〜っていう人が出てきても、話し始めるとワイワイ盛り上がってしまうんです。
伊藤:僕も三次面接くらいで、ぱっと見むちゃくちゃ怖そうな人が出てきて(笑)。緊張でガチガチになりながらも、ものすごいマニアックな本の話をしてみたんですよ。東南アジアのコアな民族について書かれた研究書なんですけど。すごく面白い研究書だけど、こんな本を読んでいるのは著者の他には自分ぐらいだろうっていう一冊で。マニアックすぎたかなぁと思ったら、その人も「僕もこれ読んだよ、面白かった。これを読んだ人に会うのは君で二人目だよ」って(笑)。それで意気投合したのを覚えてるなぁ。ものすごいマニアックな話でも、盛り上がってしまうんだよね。
Q.3
配属後の流れは?
仕事はどんな風に学んできた?
松崎:配属されてからは、メンターの先輩がOJTでみっちりしっかりときにビシバシ、丁寧に教えてくれます。私のメンターの先輩が初日に言ってくれた言葉はすごく心強かったなぁ。「同じこと何回でも聞いていいからね」って言ってくれたんです。覚えることが山ほどあって、不安だからけの新人からすると、その言葉はすごくありがたかった。「先輩、一生ついていきます!」って思った(笑)。
久木元:私も配属されてすぐの時に、上司に「新人の1年間は、元気に生きてるだけでいいから!」って言ってもらって。仕事を任されたばかりの頃はやっぱり慣れないことも多くて、ミスして落ち込む時も沢山あるんだよね。でも、毎回その言葉を思い出して、「よし、また頑張ろう!」って思っています。
伊藤:僕もそういう経験ある。仕事柄、社外の方とのやりとりが多いんですが、やっぱりミスるんですよね。それで「またやってしまった・・・」とメンターの先輩に報告しに行くと、「分かりました。一緒に謝りに行きましょう!」ってはっきり言ってくれて。僕が「迷惑ばかりかけてすみません」って言うと「全然大丈夫です!」って。こんな人になりたいなぁって思った。
Q.4
今はどんな仕事を?
「1年目でここまでやっていいの?!」という体験は?
伊藤:僕は、配属から2週間ぐらい経ったところで「では一冊目をつくってください」と言われました(汗)・・・。こんなに早く担当を持てるとは予想外で、うれしいやらびっくりするやらで初めは混乱しましたが、メンターの先輩に手取り足取り教わりながら無我夢中でやり切りました。だから、配属されて6ヶ月目には担当の1冊目ができあがっていたんです。
松崎:私は今、先輩から引き継いだ作品を担当しながら、自分でも新しい作家さんの発掘に勤しんでいます。ネットで作品発表をしている方や持ち込みいただける方のなかから、「この人は!」という人を見つけては、お声がけをさせていただいています。週に2人以上の作家さん・クリエイターさんに声をかけることを目標に頑張っています。1年目から、新作づくりのチャンスを思いっきり掴みにいけるのはKADOKAWAならではだと思いますね。
河田:僕も配属3ヶ月くらいで、販促キャンペーンの企画運営を任されました。右も左もわからない状態でしたが、Slackも使って先輩が事細かに相談に乗ってくれたおかげで、思っていたほど困ることはありませんでしたね。2021年もコロナ禍で出社する機会は減っていたのに、デジタル環境が整っているから先輩たちとのコミュニケーションは密にとれていて、スピード感を持って仕事を学べていると感じています。
久木元:私も、先輩にアシスタントのような形で3ヶ月ほど過ごしたら、もう独り立ちでした。東南アジアと台湾という私の担当エリアが決まり、その地域での仕事は私が責任を持って行っています。どの地域でどの作品の売り出しに注力するか、各地域に複数ある出版社のどの会社に翻訳版の権利を渡すのかも、先輩に相談しながらですが最後は自分で決断していくんです。相手先との交渉・契約も担うので、責任重大でプレッシャーもありますが仕事の手応えも大きいですね。
Q.5 KADOKAWAに入ってよかったと思うことは?
伊藤:編集部と聞いてイメージするのは、デスクに山のように紙が積み重なっていて、夜は遅くまでっていう超絶ブラックな環境。僕はそれを覚悟してこの仕事を選んだんですが、そのイメージはがらりと一新されましたね。フレックス制度だから自分のペースを守ってメリハリを持って働けるし、リモートワークも普通。編集業務もデジタル化されているから、必要以上に紙の書類などが消費されることがなくオフィスはキレイ。心身共に健康だからこそ仕事に熱中できるんだなと感じています。
松崎:役職だったり年次だったりのレイヤーが、くっきり分かれていないところが私は好きですね。全員がフラットに意見を言い合えて、フェアな空気が流れている。先輩たちはすごく丁寧に教えてくれるしフォローもしてくれるけど、「新人にはまだ早い」みたいな考えはどこにもなく、誰もが意見を求められるし、意見を言ったほうが仕事も楽しくなっていく。新人でも自分のアイデアを遠慮なくどんどん発信していけるのは、KADOKAWAっぽいところですね。
河田:責任を持って仕事ができるのはいいですね。どんな部門であっても自分の担当については、自分で考え自分で決めていける。僕の場合は、初版で何部刷るかという決定においても自分の意見をしっかり伝えていけるので、やりがい満点です。新人にもこれだけ裁量を持たせてくれる会社って、なかなかない気がします。
久木元:私は日本と海外とをつなぐこの仕事を選んでよかったなぁと思います。ライツの部署には、海外で出版した本が献本という形で届くんですね。すると例えば『オーバーロード』が5カ国語分あったりするんです。それを見て、世界中の人たちが同じ一つの物語を楽しんでいるんだなと考えると、感慨深くもなるし、そのお手伝いができていることがすごくうれしく感じます。
Q.6
これからの目標は?
チャレンジしたいことは?
久木元:日本のコンテンツが海外でも人気を博しているとはいえ、すべてのジャンルが日本と同じように売れているわけではないんです。たとえば東南アジアでは、コミックの分野で異世界系がすごく人気ですが、歴史物やサスペンスなど大人向けの作品はまだあまり読まれていません。だから私は、もっと幅広い年代の人たちが“MANGA”を楽しめるよう、幅広い多様な作品を世界に広めていく仕事に挑戦したいと思っています。
松崎:私は、なんといっても大ヒットギャグ漫画をつくりたい。「ギャグでミリオン!」を大志に、編集の仕事をしています。あとは、「人生、笑っていることが幸せ」だと思っているので、社内外のいろんな人に笑っていて欲しいな。そこに私がいることで、笑いが生まれる。そんな風に過ごしていきたいですね。
伊藤:誰も想像しないような世界を表現したり、誰も言葉にできなかったような気持ちを代弁してくれたりするのが、文芸の力。担当させていただいている先生たちと打合せを重ねながら、見たことも聞いたこともない世界を形にし、感動を生み出したり、人の心をすくい上げるような作品をたくさんつくっていけたらと思っています。
河田:営業としては、既存のやり方をなぞるのではなく、かつてない手法のキャンペーン企画を編みだしていきたいですね。打ち出す作品の世界観や特性にあわせオリジナリティ溢れる展開ができたら、ファンの人たちも喜んでくれるし、結果も大きなものにできるのではと考えています。また、KADOKAWAには営業・コミックの他にも、様々な領域の仕事があります。幅広い領域の仕事にも将来的には、チャレンジしてみたい。それができるのもKADOKAWAならではですよね。
※記事内容は、取材当時(2021年12月)のものです。