就活生の
みなさんへ

どうも、爆弾大学乙女学部戦争学科出身の爆弾猫ニャン。趣味は夜泣き。特技は敵対的買収。嫌いなものは面接。第一志望は御社ニャン。宜しくお願い致します。ニャーン。

改めまして、 と申します。『20代で得た知見』とか『真夜中乙女戦争』という本を書いています。そんなことはどうでもいいんです。

よくこちらのページを発見なさいましたね。素晴らしい。好奇心さえあれば人は生きていける。夢などなくとも、やりたいことがなくとも、好奇心さえあれば人は生きていける。と同時に、こちらのページを発見なさるほどあなたがいましがたお暇でいらっしゃることも少し心配です。お元気ですか。

就活の応援メッセージを、と関係者から依頼を受けました。私自身、あらゆる単位を落とし、あらゆるエントリーシートを軽蔑し、あらゆる面接官にあらゆるお祈りをされ、学生から無職となり、家も失い、公園の水道水を一日三食にして暮らしていた人間なのに、大学生の、ましてや就活を応援だなんてできるわけがありません。そんなことは洋服の青山がやるべきことです。

ですが、これだけは覚えてらしてください。第一志望に受かったとしても、第三志望に落ちたとしても、流れで入った会社がどうもしっくり来ない、をこれからご経験なさるかもしれない。あんなに憧れた仕事が嫌いになる瞬間もあるかもしれない。気に食わない上司に下唇を噛むこともありましょう。どうぞその時は「初恋の人間と結婚まで行く人間は稀である。さらには離婚しない人間も奇跡である」という陳腐な比喩を思い出してください。通勤や退勤などの最中に、です。

そして最も大事なことです。本当にご自身が望むもの、望む場所について、とことん考え続けてください。誰を喜ばせたいか、誰なら喜ばせられるか、その時「私自身は幸せかどうか」を考え続けてください。そのための刀を、どこの場所にいても、磨き続けてください。本当の勝利は、社名・社格・肩書きなどには決してございません。KADOKAWAにあるかどうかも私は存じ上げません。

ただ、この会社、私が拝見する限り、極めて挑戦的な会社だと思う。暴れている会社だと思う。この世のどこかにいる誰か一人を、たとえば教室の隅で世の中に絶望しているような学生を、心底楽しませたいという思いで溢れていると思う。なぜこのようなことを思うか。

KADOKAWAもKADOKAWAの取引先も燃やしてしまうひとりの大学生が主人公の映画『真夜中乙女戦争』をこんな時代に作るような集団だからです。こんな危なっかしい映画を作ろうと画策する、危なっかしい大人、危なっかしいエンターテーナーがいるからです。考えるまでもなく、たぶん彼らもまた、あなたと同じ年齢の頃、就活を軽蔑し、エントリーシートを軽蔑し、面接を軽蔑し、世間を憎悪していたに違いありません。そしてこんな訳の分からないウェブページがあれば、そこに彼らも辿り着いたのかもしれない。あなたがこれから出会う面接官もまた、面接のようなものを誰よりも嫌うひとりの青年だったのかもしれない。そう思うと、少し楽しくありませんか。そんな彼らになら、あなたなりの建前に加えて、あなたの本音を語ってもいいんじゃないですか。要領の良さ、頭の良さだけがこの世のすべてではないことを、堂々証明してやりましょうよ。

反抗期を終えなくてもいい。それがこの業界の最大の特権かもしれません。

お暇なら映画、ご覧になってください。一見清潔そうなこの巨大会社が本当はなにを信条とするのか、なぜKADOKAWAはKADOKAWAなのか、その精神もまたこの一作にもちゃんと宿っています。そしていつか私たち、東京ですれ違いましょうよ。ご健闘を祈ります。愛。

1.21 fri ROADSHOW