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新人座談会

2020年、KADOKAWAに入社した新人たち。コロナ禍での社会人生活スタートとなりましたが、一体どんな日々を送ってきたのでしょう。各部署から4人の新人に集まってもらい、この1年間を振り返ってもらいました。

  • YUKA UTSUMI

    内海優香

    コミック編集者
    (少年エース編集部)
    文学部卒

    PROFILE:毎週欠かさず少年コミック誌を買ってくる父親の影響もあり、幼少時代から漫画の世界に慣れ親しんできた。就活では、漫画編集部がある出版社に絞って活動。

  • NAOKI MURAKAMI

    村上直輝

    ライトノベル編集者
    (電撃メディアワークス編集部)
    教育学部卒

    PROFILE:ラノベも漫画もアニメも映画もゲームも大好きな雑食タイプ。編集能力だけでなくプロデュース能力も求められる編集者の仕事に興味を持ち、KADOKAWAへ。

  • RINKO FURUDATE

    古舘凜子

    アニメ宣伝プロデューサー
    法学部卒

    PROFILE:学生時代から“アイドルもの”がお気に入りで、特に『ラブライブ!』推し。メディアミックスで作品を盛り上げ、世界を楽しませたいとKADOKAWAを選んだ。

  • YUTA SOBUE

    祖父江悠大

    Webディレクター/
    マーケティング
    芸術工学部修了

    PROFILE:実家は漫画喫茶。まさにコミックに囲まれて育った。現在はデジタル戦略推進局にて、主にWebディレクション/Webマーケティングの仕事を担っている。

Q.1 どうしてKADOKAWAへ?
選考中、印象に残っていることは?

ラノベ・村上:僕は小学生時代に初めてライトノベルに出会ったのですが、そのときの衝撃が大きくて。小説でも漫画でもないまったく新しい世界が広がっていて「なんだこれは?!」と思いながら読みふけっていたんです。そんな風に、今まで味わったことのない楽しさをつくる仕事がしたいと思って、KADOKAWAを選びました。KADOKAWAは、ラノベもアニメも映画もゲームもなんでもある会社。配信プラットフォームも自分たちで持っていて、デジタルへの対応も速い。ここならいろんな新しいことに挑戦できそうだと思いました。

デジタル・祖父江:僕はアニメーターを目指していたほど映像表現に興味があったので、就活ではゲーム事業や映像事業がある会社を中心に受けました。結果的にKADOKAWAと縁があってここに。デジタルに関しては素人だったのでデジタル戦略関連部署への配属は予想外でしたが、デジタルとは言え仕事の目的は作品を盛り上げること。コンテンツづくりにおいて重要度が増していくデータ活用やWebマーケティングといったスキルも学べるので、今は意外と楽しんでやっています。

アニメ・古舘:もともとメディアミックスに関心があり、いろいろな手法を駆使して作品を盛り上げるという仕事がしたかったのでKADOAKWAを選びました。また、私はいろんなことにチャレンジしていろんな楽しさを味わいたいと思うタイプ。そこがKADOKAWAの風土ともマッチしたかもしれません。作品をつくるにしてもアプローチの方法は多彩だし、作品の広め方も常識や既成概念に縛られず自由に考えていこうという空気がKADOKAWAにはありますね。

コミック・内海:私は、面接で志望度があがりました。いわゆる“面接らしい面接”がなかったんです。「どんなコンテンツが好き?」と聞かれ、自分の“推し語り”をしていたら面接時間が終わっていて。「あんな話でよかったのかな…?」と思っていたら、通過連絡が届くという。それで、「この会社は自分の好きなものを“好きだ!”と言える人間が集まっているんだな」と思えたんです。KADOKAWAは総合職採用ですが、「どの事業部に行っても、自分の好きなものがある楽しい人たちに囲まれて面白く働いていけそうだ」と思いました。

Q.2 配属はどんな風にして決まったの?
新人研修は?

アニメ・古舘:最初の2ヶ月間が新人研修ですが、その期間中に希望の配属先を伝えるアンケートと面談があります。新人研修が終わると、大まかに編集系、アニメ系、戦略スタッフ系などに分けられて、仮配属としていくつかの部署や編集部を経験。仮配属中も「どの職種を目指したいか?」「どの編集部/部署に行きたいか?」を聞かれる機会があり、そのうえで9〜10月頃に本配属が決まるという流れでした。

コミック・内海:事業部によって本配属のタイミングは多少異なりますが、大まかな流れは同じですね。実際に職場に入って仕事をしてみると、それぞれの部署・仕事に魅力があっていざ希望を聞かれても「どこも面白そう」と迷ってしまうんですがね…(笑)。

デジタル・祖父江:新人研修は今年、コロナの影響があって100%リモート実施でした。リモートでどうなるか不安だったけど、かなり濃密な時間でした。映画『Fukushima50』や2021年公開予定の劇場アニメ『鹿の王』も観させてもらって、どんな宣伝プランを立てるかというグループワークをやったり。

ラノベ・村上:あとは、文芸のジャンルでも新人賞の原稿を読ませていただいてあらすじを考えたり、宣伝文句を考えたり。各部署で行われている企画会議や作家さん・ライターさんとの打合せに参加させてもらったりも。毎日忙しくしていましたね。

Q.3 本配属後はどんな日々を?
リモート環境でどう学んでいるの?

アニメ・古舘:アニメ事業は、アフレコ収録など制作現場に足を運ぶ機会が多くありましたが、みんなはリモートワークが中心?

コミック・内海:そうだね。基本的にはリモートワークで、紙面の校了など必要なときにだけ出勤しています。

ラノベ・村上:ラノベは、ほぼ100%リモート。作家さんとの打合せや原稿のやりとりも、電話かオンラインが多いですね。

デジタル・祖父江:うちも100%リモート。でも孤独感はあまり感じていません。仮配属中も本配属後もメンターの先輩が新人全員についてくれるので、いつでも先輩と連絡をとれます。分からないことがあれば、『Slack』(ビジネスチャット)で気軽に質問できるから、慣れれば不便さも感じません。

アニメ・古舘:右も左も分からない仮配属中もメンターの先輩が毎朝ミーティングを開いてくれて、今日どんな仕事をするかを話し合ってから始業するので、「私は何をすればいいの?」と迷うこともありませんでした。

ラノベ・村上:メンターの先輩だけでなく部署の皆さんが本当に気にしてくださっているなと感じますね。部署のグループチャットで「こんなネタがあったよ!」とか仕事の参考になる情報を送ってくれたり、僕が質問を投稿するとみんなが答えてくれたり。“周りの先輩全員がメンター”みたいな状態です。

コミック・内海:ただ、リモート環境下だと、所属する部署外の人とは自分から接点をつくりにいかないといけないかもしれません。今までは自分のことで精一杯だったけど、少しずつ仕事にも慣れてきたので落ち着いたら他の部署の先輩たちにも声をかけにいってみようと思っています。まだ話せていない面白い先輩がたくさんいるはずですから。

Q.4 KADOKAWAに入ってよかったことは?

アニメ・古舘:自分から仕事を取りに行けることかな。アニメ宣伝部では挙手制で担当案件が決まるし、新人も普通に手を挙げられます。『SELECTION PROJECT』というオリジナルアイドルアニメがあるのですが、「誰か宣伝を担当したい人は!?」と発信があったときも、真っ先に手を挙げました。私はずっとアイドルが好きでアイドルものをやりたいと思っていましたから。1年目からやりたかった仕事に携われたのは、本当にうれしい。「まさか今が人生のピーク?!」って思うくらい、楽しんでいます。

デジタル・祖父江:KADOKAWAは、発売するコンテンツ数が多いから、新人の裁量も大きいのかもね。新しい漫画雑誌の立ち上げで、一年目で副編集長になった人もいますよ。今、新人作家さんの発掘にいそしんでいるみたいです。

ラノベ・村上:僕も2021年の3月には、初めて自分の担当した作品が発売される予定です。先輩との共同担当ですが、こんなに早く作品を担当できるとは思っていませんでした。先日、統括編集長との面談があって「村上君はこれからどんどん本つくっていくんだねぇ。来期は、何冊くらい出す予定?」って言われて、ちょっと焦るくらいのスピード感です(笑)。

コミック・内海:学べる環境も整っていると思います。基本的なやり取りはslack上で行われているので、編集長と先輩編集者さんたちの話し合いの場を覗くこともできます。先輩編集者さんたちが担当する作品の制作過程を見られるので、すごく勉強になりますね。

ラノベ・村上:先輩たちの仕事を詳しく見ることができるのは、デジタルの恩恵でもあるよね。昔は編集長と担当編集者の1対1の閉じた世界で行われていた仕事も、今は全員で共有することができる。しかも履歴も残るから、過去に遡って勉強することもできます。

デジタル・祖父江:デジタルのインフラが整っているのは良いよね。出版ってアナログな仕事のイメージがあるかもしれないけど、KADOKAWAは想像以上にITリテラシーが高いと思います。

Q.5 これからの目標やチャレンジしたいことは?

コミック・内海:今はまだ未熟ですが、一日も早く作家さんと同じ目線で物事を見ることができて、二人三脚で同じ目標に向かっていけるような編集者になりたいですね。まずは、自分の手で新連載を立ち上げたいと思っています。

ラノベ・村上:自分が子どもの頃にライトノベルを読んで感じた「なんだこれは?!」という目新しさや驚きを、世の中に与えられるくらいパワーある作品を生み出したいですね。良くも悪くもライトノベル市場も成熟しつつあって、ライトノベルに対する世の中のイメージも固まりつつある。そのイメージを覆す、「これがラノベか?!」というような作品を送り出せたらいいなと思っています。

アニメ・古舘:私は、アイドルものコンテンツに携わりたいという夢があったんですが、一年目で叶っちゃいました(笑)。というのは半分冗談で、まだスタートラインです。バーチャルYouTuberなど新しい媒体が続々と誕生しているなかで、まだない新しい宣伝のあり方もあるはず。かつてない宣伝プランにもチャレンジし、そして『SELECTION PROJECT』がムーブメントになるような新しい取り組みをつくっていきたいと思っています。

デジタル・祖父江:僕は、最終的にはアニメ作品の製作に携わりたいという気持ちがあるんですが、アニメーションをつくるのもチームワークだしプロジェクト。今の部署でデータ分析やWebマーケティングのスキルを身につけることで、様々なプレイヤー・クリエイターが集まるチームを引っ張っていけるだけの力ある人になっていきたいと思っています。

※記事内容は、取材当時(2020年11月)のものです。